【インタビュー】劇団4ドル50セント前田悠雅・岡田帆乃佳・隅田杏花・田代明……コラボ公演の意気込み&2020年の抱負 | RBB TODAY

【インタビュー】劇団4ドル50セント前田悠雅・岡田帆乃佳・隅田杏花・田代明……コラボ公演の意気込み&2020年の抱負

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劇団4ドル50セント:田代明、岡田帆乃佳、前田悠雅、隅田杏花【写真:竹内みちまろ】
劇団4ドル50セント:田代明、岡田帆乃佳、前田悠雅、隅田杏花【写真:竹内みちまろ】 全 2 枚
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 2017年に秋元康プロデュースで結成された演劇集団「劇団4ドル50セント」。定期公演に加え、劇団員たちが様々な舞台に出演するなど活動の幅を広げている。

 その劇団4ドル50セントが2020年1月30日から2月9日まで、DDD青山クロスシアター(東京)にて、劇団「柿喰う客」とのコラボ公演となる「学芸会レーベル/アセリ教育」を上演する。「学芸会レーベル」と「アセリ教育」は、どちらも、涙も、笑いもあるヒューマンコメディ。

 辺境の幼稚園が舞台の「学芸会レーベル」は、過去の悲しみに寄り添う物語で、学芸会で演劇を行うと演劇世界にのめり込んで帰ってこられなくなるため、学芸会が禁止された世界が描かれる。

 「アセリ教育」の舞台は、都会の小学校。“勉強ができる人=偉い”という序列が厳格化された国家の中で繰り広げられる、未来の幸せを祈る物語だ。

 「学芸会レーベル」と「アセリ教育」に出演する劇団4ドル50セントの前田悠雅(まえだ・ゆうが/「学芸会レーベル」「アセリ教育」に出演)、岡田帆乃佳(おかだ・ほのか/「学芸会レーベル」「アセリ教育」に出演)、隅田杏花(すみだ・きょうか/「アセリ教育」に出演)、田代明(たしろ・あかり/「学芸会レーベル」に出演)にインタビューを行い、同公演にかける意気込みと、2020年の目標を聞いた。

-それぞれの作品と役柄について教えてください。

前田:「アセリ教育」は“勉強ができる=偉い”という価値観で“頭のいい国家”を切り開いていく中、頭がよくない子どもたちがスラム街に捨てられてしまう社会を描きます。私は「零」という小学生の役なのですが、「零」は“一番、頭がよくない”キャラクターです。勉強ができないことで人格も否定されているのですが、スラム街のリーダー的な存在で、国家に対して反抗します。キャラクターとしては、クールに振る舞っています。

 「学芸会レーベル」では、「しょうこせんせい」を演じます。先生の中では一番の下っ端なのですが、幼稚園の中では一番の常識人です。

隅田:生徒役をはじめ、店員や試験官など、複数の役を演じます。また、人ではない“小道具”の役も演じます。“木”などの役を演じる人もいますが、私が演じるのは“モノ”というよりも“小道具”なので、ぜひ、楽しみにしていてほしいです。

岡田:「えまちゃん」という、幼稚園児に見えない幼稚園児役です。「えまちゃん」は、私は“脱力系幼稚園児”といっているのですが、脱力しすぎても緊張感がなくなるのでバランスに気を付けています。

田代:「学芸会レーベル」では、幼稚園児組が出ているシーンと、先生組が出ているシーンのテイストがまったく違います。それに加えて、「学芸会」のシーンもあります。ひとつの舞台の中で、色々なお芝居を見ることができる作品になっています。私は、声で表現したり、立ち姿で表現したりなどのアプローチをしてしまいがちで、よく「心が動いていない」と注意されてきました。今回は、「ふくえんちょうせんせい」なので、いつも手をお腹の前で組むなど形にはめて、そのうえで、しっかりと相手とやり合いたいです。

-今回の作品で挑戦があるとしたら、それは何ですか?

前田:両方の作品で言えることは、私は、どっしり構えることが必要かなと思っています。どちらのキャラクターも、周りと積極的には関わらず、孤独を感じている役でもあります。1人で立って、1人で表現し続けて、それが報われないということを、怖がらずにやろうと思います。「零」は、物語世界の価値観に照らし合わせると“一番のバカ”になるのですが、佇まいは一番、凛としています。私はステージの上では、誰かに頼ろうとしてしまう部分がありますので、1人でもまっすぐ前を向いて堂々としようと思っています。

隅田:今までの舞台では、演出家の方から指示される“正解”があったのですが、今回は、演出家の方が私たちを信じて自由にやらせてくれている部分があります。そこで新しい何かをぶつけていきたいです。

 また、これまで、外見的な特徴を持ったキャラクターを演じることが多かったのですが、今回は、店員や試験官なども含めて、素のキャラには直結しない複数の役をやります。その中で、いかに面白くできるかということを考えながら稽古しています。

岡田:演技の表現法の引き出しを増やすことです。私はいつも、劇団4ドル50セントの舞台では、組合長とか、先生など、重心が重いといいますか、どっしりした役が多いのです。今回は初めて、「アセリ教育」ではちょこちょこ出てくる生徒役だったり、「学芸会レーベル」では「えまちゃん」というフワフワした役を演じます。重心を軽くしてお芝居をする表現法を身に着けたいと思います。幼稚園児を演じるのは人生で初めてなので、楽しんで頂けたらなと思います。あと、「学芸会レーベル」では、田代の歌に注目してほしいです!

-田代さんは歌うのですか?

田代:はい。今回の「学芸会レーベル」には、歌のパートがたくさんあります。東京藝術大学の音楽学部声楽科を卒業したのですが、稽古を重ねるごとに歌のパートがどんどん増えていきました。歌は「童謡」なのですが、稽古中に「もっと高音で歌える?」などと聞かれているうちに、どんどん、クラシックな歌い方になっていきました。

-何曲あるのですか?

岡田:全部で12曲くらいあります。田代のソロが3曲で、あとはみんなで歌う曲です。最初はそんなに多くなかったのですが、田代のおかげでどんどん増えていきました。歌に加えてダンスもどんどん増えています。そこで、劇団4ドル50セントらしさが出せたらいいなと思います。

-2020年の抱負を教えてください。

前田:嘘のないお芝居、「こういう人、本当にいるよね」と言われるお芝居ができる人になりたいです。2019年に「恋愛ドラマな恋がしたい」というAbemaTVさんの作品に出させて頂き、そこで初めてドラマの主役をやらせて頂きました。それから映像のお仕事に魅力を感じるようになっています。今年は、去年よりも多い本数の舞台を劇団4ドル50セントとして行う予定になっていますが、そこを頑張ることとは別に、映像系のお仕事もできる年にしたいなと思っています。

岡田:お芝居を磨くことと、コラボ公演の予定が多く入っていますので、他の劇団さんとコラボさせて頂き、かつ、劇団4ドル50セントのよさを出していけるといいなと思います。

隅田:映画やドラマも好きなのですが、実話やドキュメンタリーも好きです。なので、リアルなドラマができるような役者になりたいです。今年は、お芝居を基礎から固めて、「劇団4ドル50セントの隅田さんって、あの舞台に出ていて、お芝居が上手だよね」と言われるようになりたいです。キャラクターも大事だと思いますが、「あの子のお芝居を見たい」と言われる人になるための基盤を作っていける年になればいいなと思います。

田代:「田代明といえばコレだよね」という代表作ができたらいいなと思っています。2019年は、外の舞台に出演させて頂いた劇団員がたくさんいました。2020年は劇団4ドル50セントとしてのお芝居がたくさんあるので、2019年に劇団員が外のお芝居で学んできたことを劇団4ドル50セントの舞台に融合させて、劇団4ドル50セントとしてもっと高いレベルの舞台が作れたらいいなと思います。

《竹内みちまろ》

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