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オリジナルスイーツも楽しめる京都石庭めぐりの旅

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オリジナルスイーツも楽しめる京都石庭めぐりの旅
オリジナルスイーツも楽しめる京都石庭めぐりの旅 全 28 枚
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 「あー、なんで今までこの時期に来なかったんだろう」。大徳寺の石庭を背景にナレーションが流れる。「そうだ 京都、行こう。」石庭編 CMが1月11日からスタートしている。早春の京都、凛とした空気のなかで石庭を眺め、自分と歴史とにじっくり向き合う魅力を打ち出すCMだ。



 JR東海(東海旅客鉄道)では、今回特別な旅行プラン「禅寺と石庭めぐりプラン」を用意。ここでは、そのプランのなかから注目すべきものを紹介していこう。

■石庭の魅力は専門家に聞くべし!「重森先生と大徳寺の石庭めぐり」

 はっきり言って、「石庭」の何が魅力なのか、あるいはどう見たらいいのか、と疑問に感じている人多いだろう。筆者もそうだったし、とっつきにくい気がしていた。しかし、専門家の人に話を聞きながら石庭を見ると、しだいに興味が湧いてくる。これを知っているだけで、京都の寺院の見方が変わってくるだろう。

重森千靑氏


 作庭家である重森三玲氏の孫である重森千靑氏。重森庭園設計研究室の代表として、作庭とともに庭園の魅力を発信する活動をしているが、その重森千靑氏の説明を聞きながら石庭めぐりができるプラン「重森先生と大徳寺の石庭めぐり」だ。参加者にはガイディングレシーバーが渡されるため、聞き逃しがないのも魅力だ。

龍源院


 大徳寺の塔頭・龍源院には、庫裡と方丈の間の狭い空間に作られた小さな庭園「東滴壺」(とうてきこ)がある。このスタイルのものを坪庭という。重森氏によると「京都の夏は暑いので、温度調節をするための重要な空間」としての役割も担っていたという。最小と言われるこの庭が、室町時代の他の立派な空間に負けないように仕上げるにはどうすれば良いか考え抜かれて作られた石庭だ。

「東滴壺」


 龍源院の「阿吽の石庭」と呼ばれる「こ沱底(こだてい)」。ここにある左右の基礎石は、聚楽第のものと言われ、重森氏は「厳しい住宅環境のなかで庭園を造るには非常に参考になる庭」と評する。土塀の仕切りまでしか奥行きがないが、「椿や石などを奥に追いやることによって空間を作っており、広く見せようとする努力が非常にわかる」と解説する。

「阿吽の石庭」


 大徳寺の瑞峯院はキリシタン大名・大友宗麟が大友家の菩提寺として建立。ここには重森三玲氏によって1961年に作庭された「独坐庭」と「閑眠庭」に注目したい。「閑眠庭」は日本の枯山水庭園ではじめて十字架を表わしたものだという。横に3個、縦に4個の石の流れを十字架に組んでいる。「独坐庭」は、荒波に打ち寄せられながらも悠々と独坐している様を表現している。重森氏によると「一番大きい独坐の石から4つの石をつなげていく構成になっており、この流れが力強い」。手前にある大きな石は厚みが5cmしかないことにも注目してみるといいだろう。移動しながら見る角度を変えていくと、表情も変わっていくという。

瑞峯院


「閑眠庭」


「独坐庭」


「独坐庭」


■眺めるだけではない!石庭スイーツを作ってみよう

 妙心寺 退蔵院には室町期の画家である狩野元信が作庭した枯山水庭園「元信の庭」がある。画家は景色を見ながら襖絵を描くが、これを実際に庭にしたらどうなるのか?という答えがこの庭に表れており、京都の美学を現わしているといわれる。美しいだけではなく、実用的な面も見逃せない特徴だ。よく見ると庭の奥には竹藪が配されている。笹のBGM効果を狙っているといわれる。

妙心寺


枯山水庭園「元信の庭」


枯山水庭園「元信の庭」


 ここ妙心寺 退蔵院では「坐禅体験と朝がゆプラン」が用意されている。2月9日、3月8日、4月5日に実施。料金はひとり5500円(税込み)となっている。同寺は日本企業の研修にも多く使われているという。1泊~2泊の純粋な修行体験が行われる。







 石庭を鑑賞した後で、オリジナルスイーツを楽しむことができる寺院もある。それが曼殊院門跡だ。JR東海の「曼殊院 オリジナル石庭スイーツづくり」ツアー(一人4500円 税込)は曼殊院執事長から枯山水の魅力をガイディングレシーバーで聞いた後で、スイーツづくりと実食ができるというもの。※その時季の食材の仕入れによってメニュー内容が変更します。

 江戸時代から伝わる「でっち羊羹」が有名な和洋菓子の店・一乗寺中谷が提供するもので、三代目の中林英昭氏とその妻・恵子さんのどちらかが講師として登場してくれる。参加者は四角い容器に入ったクリームにミニフォークを使って砂紋を描き、アーモンド風味の小石、羊羹の石を配置していく。石の立て方などによって個性が生まれてくる。筆者も挑戦してみたが、砂紋を描くところからして意外と難しい。その人のセンスが問われるところだが、グループで比較してみるのも楽しいだろう。








 また、非公開の石庭がこの時に限り公開となるツアー(一人9800円)もある。京都駅八条口を出発し、一華院(東福寺塔頭)、弘源寺(天龍寺塔頭)、臨川寺(天龍寺別格)とまわる「京の庭を楽しむ非公開石庭めぐり」ツアーだ。

 臨川寺は夢窓国師を開山として創建された寺だが、本堂中央に弥勒菩薩が安置されている。夢窓国師は天龍寺、等持院の庭などみごとな庭を手掛けたが、この臨川寺の庭は惜しくも戦乱で面影を失っている。中門から広がる見事な「龍華三会の庭」は、実は日本画家の伊藤紫虹によって作られたものだという。本来ならば中門から本堂に向かって道があるはずだが、いきなり石庭が広がるさまは印象的だ。

臨川寺


「龍華三会の庭」


 ちなみに往復新幹線と宿泊がセットになったお得な旅行プランにはCMに登場する大徳寺本坊の方丈庭園など、美しい石庭の寺院7か所を紹介する「禅めぐり帳」、和雑貨で人気の京都「くろちく」が制作すいるオリジナル「京の冬の足袋」、「京の冬の旅」入場整理券(3月22日までの間実施される、京都デスティネーションキャンペーン第54回「京の冬の旅」非公開文化財特別公開の公開箇所のうち企画の対象箇所1か所を拝観できる入場整理券)などの特典付きとなっている。

■【プチ情報】嵐山で味わいたいおすすめレストラン

 嵐山に行ったら是非堪能してみたい料理がある。レストラン「京 翠嵐」でランチに提供される「彩雅-みやび-」(5000円 税サ別)だ。



 同レストランの総調理長はフランスのミシュラン3つ星レストランで約10年間経験を積んだのち、2016年にレストランシェフに。クリエイティブな料理を提供することで注目を集めている。その思想がよく表れているのが、「彩雅-みやび-」だ。会席料理の八寸を発展させ、和と洋をアレンジした料理を8種類の容器で提供する前菜のスタイルは、楽しさと驚きを演出してくれる。その季節によって素材やメニュー内容は変わるが、下記は12月のメニュー内容だ。

総調理長の松勢良夫氏








・先付(酒粕と大根のブルーテ)
・八寸(赤蕪と鯛寿司、紅葉麩と蒟蒻田楽、ビーツのすり流しといくらおろし、ケシの実と鴨のプレッセ、椎茸二身 ラルド、黒ゴマ豆腐あられ揚げ 生姜コンフィチュール、牛肉と牛蒡、スモークサーモンあちゃら和え)
・温物(海老と白身魚の真状、白菜、椎茸、九条ネギ)
・揚煮(鯛、人参、生姜、堀川牛蒡、聖護院大根、ロマネスコ、水菜)
・御食事(レンズ豆と生姜の御飯、ちりめん山椒、一番出汁のビーフストロガノフ、漬物、留椀(赤味噌の味噌汁))
・甘味(鶴屋長生とコラボレーションしたオリジナルミニ大福 柚・紫芋)



 高価すぎず、それでいて十分満足できる料理内容となっている。

 なお、この時期の京都は見どころ満載だ。1月10日から3月18日まで展開される京都デスティネーションキャンペーン「京の冬の旅」は「京の御大礼 雅の御所文化&明智光秀と仙谷の英傑たち」がテーマ。期間中には普段みることができない文化財が15か所で公開となる。また、「~御大礼奉祝~高雅な御所文化 京の尼門跡寺院めぐり」「~御大礼奉祝~皇室ゆかりの寺院をたずねて」など定期観光バス特別コースやワークショップも用意されている。

※協力:JR東海

《RBB TODAY》

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