同年6月から始まったW杯。だがその3か月前に東日本大震災が発生。丸山は当時の心境を語り、「こんな時期にサッカーをやってていいのかと思った」と葛藤していたと回顧。
ただサッカー選手として「戦っていく姿をみんなに伝える。元気を伝えることができたら一番良い」と思い返し、試合に臨んでいたという。さらにW杯の期間中のミーティングでは通常モチベーションをあげるシュートシーンを見るものだが、「初戦から決勝までずっと震災の映像を見ていた」と述懐。「しっかりプレーしないといけない」と、優勝する原動力につながったと語った。
2005年から2009年まで東京電力の福島第一原子力発電所で勤務し、同時に東京電力女子サッカー部マリーゼに入団していた丸山。震災時、原発事故の収束作業を現場で指揮した故・吉田昌郎元所長が直属の上司だったという。W杯優勝の報告を直接伝えることはできなかったが、その吉報を聞いた吉田元所長は「桂里奈が決めてくれたゴールでパワーが湧いた」と、周囲の人々に言っていたと話していた。