1996年4月に東京・有明コロシアムで行われた女子テニスの国別対抗戦「フェドカップ」。その1回戦でドイツと対戦した日本は2日目、伊達公子を投入。グラフと戦うことになった。
松岡によれば、会場は超満員だったものの「シーンとしていた」という。そこで同じく見に来ていた彼は 日の丸の旗を振り上げて大声で応援を始めたのだとか。すると自然と他の観客も声を出し始め、伊達は死闘の末グラフに勝利した。
試合後、「グラフになんか言われるんじゃないかと思って」会場から逃げたという松岡。以来、彼女とはなるべく会わないようにしていたが、ウィンブルドン大会で“再会”してしまったという。
そこで松岡が「アイムソーリー」「あのときはごめんなさい」とフェドカップでの声援を謝ると、グラフは意外にも「ノー。あなたのような応援が 自分の国にも欲しい」と言ってくれたのだとか。松岡は「ほんとにうれしかった」と、グラフの寛大さに感激したと話していた。