定額プランはドコモ5Gの大きな武器、5Gを生かしたサービスにも期待 | RBB TODAY

定額プランはドコモ5Gの大きな武器、5Gを生かしたサービスにも期待

IT・デジタル その他
定額プランはドコモ5Gの大きな武器、5Gを生かしたサービスにも期待
定額プランはドコモ5Gの大きな武器、5Gを生かしたサービスにも期待 全 8 枚
拡大写真
 NTTドコモは18日、5Gサービスの発表会をオンラインで開催し、3月25日からサービスを開始すると発表した。通信料金は現行の4Gより若干引きあがるものの、完全定額・使い放題を提供。スマートフォンはソニーやサムスンを含むメジャーメーカーの製品6タイプ7機種、既存ユーザーも5Gを利用できる5Gルーターと豊富なラインナップを用意。多くの消費者にとってまずは気になるスマートフォンのラインナップも充実している。だがコンシューマー層だけではなく、産業向けのサービスも発表されるなど、内容はこれまでの発表会よりもより幅広い充実したものだった。



 スマートフォンは日本でおなじみのソニー、シャープ、富士通を揃えており、5Gへの乗り換えの敷居は大きく引き下げられている。それに加えて海外ですでに5Gスマートフォンを出しており、5Gの技術に定評のあるサムスンとLGの製品も追加。サムスンは5G開始の記念モデルにもなる東京オリンピックバージョンの製品も販売予定だ。そしてLGからはカバーを取り付けると2画面化できる、ラインナップ唯一のマルチ画面モデルが発売になる。これから5Gに乗り換えようと思う消費者にとって、選びがいのあるラインナップが揃っているのはさすがといえる。



 一方、5Gの提供エリアは主要駅や観光地などまだスポット的で、先行して5Gを発表したソフトバンクに対してのアドバンテージもあまり見られない。シェア1位キャリアのドコモだけに、もう少し広いエリアが利用できるものと期待していた消費者にとっては不満があるだろう。だが5Gを実際に店舗で体験できるように多くのドコモショップでも5Gが利用できる点は、新サービスのアピールの点でも大きな意味がある。それに加えて観光地やホットスポットなど、人の多く集まる場所を重点的にサービスエリアとしている。いきなり国内全土を5Gでカバーするのはどの国のキャリアでも行っておらず、5Gと4Gの特性を生かしながら4Gエリアを徐々に5Gに変えていく、これが日本を含む全世界のキャリアが同じ考えを持っているようだ。



 ドコモよれば、5Gのエリアは150か所、500局で開始。その後東京オリンピックを経て2020年度末には政令都市を含む500都市に拡大。2021年度末(2022年3月末)には全国2万局と、当初の40倍に増える。5G開始の1年目はまずは主要エリア、2年で全国と、拡大のスケジュールを明確にしたのは評価できる。



 さて5Gの開始に伴い、スマートフォン向けにさっそく4つの分野で新しいサービスが開始される。「音楽・ライブ」「ゲーム」「映像」「スポーツ」と、それぞれ5Gならではの特性が生かされたサービスだ。すでに海外の5Gキャリアも様々な5Gサービスを開始しているが、日本は3G、4G時代から多くのコンテンツがスマートフォンで利用されている。それらの豊富なコンテンツが、5Gではよりリッチなユーザー体験をもたらすコンテンツとして生まれ変わり新たに配信されるようになるのだ。



 5Gだからこそ可能になる「8K VRライブ配信」や「クラウドゲーム」、複数のカメラの映像を同時配信してスマートフォンの画面で瞬時に切り替えたり複数を同時受信する「マルチアングル視聴」は、スポーツ、アイドル、アニメなど日本のコンテンツをよりリッチなものとし、5Gコンテンツとして日本のみならず海外への輸出展開も可能になるだろう。ドコモの豊富な5Gサービスに、世界の5Gキャリアが今後注目する可能性も大いにありうると感じられた。



 一方、5Gはコンシューマー向けのスマートフォンサービスに留まらず、産業界のありかたを変える新しいインフラにもなろうとしている。ドコモの5Gサービスは当初から産業向けのサービス展開も考慮されており、22のパートナーと「高速」「低遅延」「同時多接続」を生かしたアプリケーションを展開するという。遠隔地からの工場機器やメンテナンス時の遠隔支援は5Gの応用事例としてドイツなどインダストリー4.0を推進する国で最も期待されているソリューションだ。



ま たカメラを使った顔認証も5Gを使えば高画質な画像をリアルタイムにクラウドで解析しその結果を高速反映できる。他にも8K VRライブ配信など、5Gインフラを提供するドコモが新たな社会的付加価値を生み出そうと多くの企業との協業を本格化させようとしている点は大いに評価したい。

 5G開始時のサービスエリアを見ると「これだけか」とがっかりした人も多いかもしれない。しかしドコモは5Gを5年先、10年先の「スマートな社会」を見据えた基幹インフラとしてコンシューマー層だけではなくインダストリー用途にもしっかりと普及させようと考えているのだ。ドコモの発表会を見終わって筆者が感じたのは「5Gが日本人の生活をより豊かにし、日本の国際競争力を高めてくれる」という期待だった。ドコモの5Gはスロースタートかもしれないが、1年後、2年後のサービスの拡充に大きく期待したい。




(TEXT:山根康広)

《RBB TODAY》

【注目記事】
【注目の記事】[PR]

この記事の写真

/

関連ニュース