獅童と母親とは食事に行くと必ず喧嘩をし、そのたびに現在の妻・沙織さんが間に入っていたという。だが一方で母は、沙織さんに「あの子はムチャクチャなところがあるけど、何とかいい芝居できるように支えてやってほしい」と頼んでいたそう。
ある日、近所の居酒屋へ、獅童と妻、そして母と3人で行ったものの、結局親子喧嘩。妻から「折を見つけて謝んなきゃいけないね」と説教されていたが、その2日後に母は、気温の変化によって血圧が上下し、心臓や血管の疾患が起こるヒートショックで亡くなってしまったという。
そこで実家の冷凍庫を妻・沙織さんと整理していると、母が作り置いていたピーフシチューが入っていたという。獅童も沙織さんももそのビーフシチューが大好きだったそうで、2人で「お母さんの作るシチューはやっぱおいしいね」と言いながら「大号泣した」と振り返った。
喧嘩をした2日後に旅立ってしまった母。獅童は「あの時もっとちゃんと謝っておけばよかった」と後悔を口にし、目に涙をためながら「だらしがなくてダメな人間だが、 少しでもいい役者になって真面目に生きないといけない」と決意。
そして母の残したビーフシチューの最後の一口を食べたとき、獅童は 「人が作ってくださったものに対して、もっともっと感じながら食べないといけないと思った」と反省していた。