森友事件の渦中で、総理夫人らの名を隠蔽するために公文書の改ざんを命じられ、懊悩の末、2018年3月、自ら命を絶った俊夫さん(享年54歳)。今年3月には、俊夫さんが遺した痛切な手記が『週刊文春』で公開されて反響を呼んだ。手記の公開を決意した妻の雅子さんは、真実を明らかにするため、国と佐川元財務省理財局長を提訴。事件の再調査を求めて行った署名は35万を超えるなど、事件解明には多くの国民が賛同しており、森友事件がまだ終わっていないことを伺わせる。
同書は、雅子さんが国を提訴、俊夫さんの手記公開に至るまでの迷い、怒り、葛藤を率直に綴った手記部分と、事件発覚当初から追い続けてきたジャーナリスト・相澤冬樹氏による同時進行ドキュメントで構成されている。巻末には、俊夫さんが遺した手記も全文収録。安倍政権・財務省の隠蔽体質、そして改ざんに関わった職員らが軒並み出世しているという驚くべき事実が明らかとなる。