【インタビュー】「窮鼠はチーズの夢を見る」は人間の本質的なラブストーリー……“恋敵”役の吉田志織
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同作は、水城せとなによる男性同士の恋愛を描いた人気コミック「窮鼠はチーズの夢を見る」と「俎上の鯉は二度跳ねる」を原作に、、様々な愛の形を描いてきた行定勲監督が実写化した作品で、初共演の大倉と成田が大胆なベッドシーンを演じていることでも話題を集めている。
大学時代の先輩・後輩である恭一(大倉)と今ヶ瀬(成田)が7年ぶりに再会を果たすことで始まる同作で、今ヶ瀬にとっては恋のライバルにもなりうる岡村たまき役は、注目の若手女優・吉田志織。恭一の部下で、上司を慕うOL役を演じた吉田にインタビューを行い、女性から観た同作の魅力や、撮影現場で垣間見たという大倉と成田のベッドシーンの印象を語ってもらった。
――完成した作品を観終わった感想からお願いします。
美しい、と思いました。人を本気で好きになることで登場人物たちは変わっていくのですが、人と人との本気のぶつかり合いを、私たちの身近にある“愛”というテーマで見ることができる作品だと思いました。
――原作は女性向けコミックと聞きましたが、映画はどんな方に観てほしいですか?
ボーイズ・ラブとはあまり感じなくて、人間の本質的なラブストーリーだと思いました。「男同士なんて!」と思っている方でも、胸にグッと来るものがあるのではないかなと思います。性別などを限定せず、色んな方に楽しんで頂ける作品だと思います。
――岡村たまきはどんな女の子なのでしょう。
元気で、素直で、いい子だなという印象があるけど、したたかな部分もある女の子です。一見すると、いつも笑顔で感情のままに喜んだりしているのですが、悲しくても笑おうとする部分もあります。
――役作りで気を付けた点は?
「笑顔」をポイントと決めていました。たまきは自分がどんなに辛くても他人からの目を気にして笑うところがあります。“笑うことに対して頑張る”というところも意識していました。
――女優としてのどんな挑戦がありましたか?
たまきを演じること自体が挑戦になりました。たまきは、ライバルといいますか、恭一と今ヶ瀬の間に刺客のように入り込んでいきます。今ヶ瀬との関係を続けている恭一も、たまきに気持ちを動かされていきます。そんなたまきのお芝居は、今まで演じ来た役柄の中で、一番、考えることが多かったです。
――女性たちには、どんな点に注目してほしいですか?
出てくるライバルは全員、女の人になります。女性たちが“好きな人を異性である男性に取られる”ということも、「絶対にない」とは言えないのかもしれません。何人か登場するライバルの中には、自分に近いキャラクターの人がいると思いますので、感情移入しやすいと思います。
――大倉さんとは初共演になりますが、現場ではどんな様子ですか?
クランクインのときは、大倉さんが気を使って、「寒いね」などと気さくに話し掛けて下さりました。本当に優しい方だなと思いました。
――撮影中の印象に残っているエピソードを教えてください。
恭一と今ヶ瀬のベッドシーンがあるのですが、そのシーンを撮る前に私が出演するシーンの撮影がありました。ベッドシーンを撮り終わったあとに、ヘアメイクさんなど、その場にいた女性たちがみんな「綺麗!」とこぼしていました。女性の口からそういう言葉が出るのは、本当に綺麗だったからだと思います。私も、映画を観たときに、美しいと思いました。
――今作に参加して、恋愛について感じたことは?
今ヶ瀬のセリフで「心底惚れるって、すべてにおいて、その人だけが例外になっちゃう、ってことなんですね」というのがあります。いいセリフだなと思います。自分の物差しになってしまうのですが、今ヶ瀬は本当に恭一のことが好きで、そんな今ヶ瀬が言う言葉だからこそ響くセリフだと思います。セクシャリティの問題は自分が決めればよいことですし、流動的な面もあり、もしかしたら、私も明日にでも変わっているかもしれません。映画を通して、少しでも優しい社会になったらいいなと思います。
――最後に、今後の女優としての目標を教えてください。
私が尊敬している女優さんはみんな、その人がいなくなってもその人の気持ちや影が残ります。シーンが切り替わっても存在感が残るといいますか。一番尊敬しているのは深津絵里さんで、映画「悪人」(2010)でのお芝居が好きです。私もそんな女優さんになれるように頑張って行きたいです。
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