12歳でプロ棋士としてデビューし、史上最年少の14歳3か月で女流王座を獲得した林葉。その美しさもあいまってアイドル棋士として人気に。さらにその後もタイトル戦に勝ち続け、テレビやCM出演と多忙な生活を送るようになる。
そんな中、楽しむことを覚えたのが「酒」だったという。人一倍、肝臓機能が強い彼女はいつまでも飲めたそう。1995年に将棋界を引退後、小説家になった彼女はアイディアに行き詰まると酒に頼るようになってしまう。結果、医師から「アルコール性の肝硬変」との診断を受けた。そこで塩分を控えるなど食事制限をするも、退院するとまた酒に溺れ、体重は38キロにまで落ち込んだこともあったとか。
そして2014年、医師からついに「1年もつかどうか」と余命宣告を受けてしまう。生き残る道は肝臓移植。親族では弟が適合したものの、彼女は弟に迷惑かけてまで生きたくないと移植を拒否。死を覚悟したという。
そんな余命宣告から6年、番組スタッフが林葉を訪ねた。激ヤセしてはいるものの、表情は明るかった。そんな彼女は余命宣告された当時を振り返り、「一気に死んじゃったほうが楽だった」と自暴自棄になっていたと告白。だが、「藤井くんをきっかけに将棋を見るようになったら、将棋が好きだということに気が付いた」と、藤井聡太二冠の存在を知り、生きる意欲が湧いたとだという。
現在は減塩を徹底した食事制限により、肝臓のアルコール数値であるγ-GTP も正常値に。昨年、将棋イベントに参加することもできたという林葉。最後に将来の夢として「アマチュアの人や誰もが参加できる棋戦があれば楽しい」と語っていた。