1日48km、高低差1300m以上の険しい山道を往復16時間かけて歩くこと、年間120日。それを9年の歳月をかけて1000日間歩み続けるという、日本一過酷な修行「大峯千日回峰行」を23歳の時に満行。1300年の歴史の中で、未だ2人しか成し遂げた者がいないというこの荒行だが、塩沼はさらにその翌年、 “飲まず、食わず、眠らず、横にならず”を9日間耐え続ける「四無行」をも達成した。
生きて終える確率50%と言われる“四無行”では「3日目位から死臭がした」と、死と隣り合わせの修行の様子を語った一方、「怪我に遭ったり病気になったりした場合でも絶対に止めることはできない厳しい掟がある」という“大峯千日回峰行”では、過酷さから“死”の文字が頭をよぎったこともあったと言う。
「行に入って3カ月目位に入ると血尿が出てしまうほど体力が落ちていった」と、当時を振り返る塩沼。いったいなぜ、そんな厳しい修行に挑戦しようと思ったのか?途中、何度も命に関わるような危険な場に遭遇しながらも満行を遂げた塩沼に、極限ともいえる修行の様子を聞いていく。壮絶な修行の先に見えたこと、そして、命がけの修行を成し遂げた者だけが辿り着く“究極の境地”とは?