熱狂的ブームの音声SNS「Clubhouse」その魅力はどこにあるのか? | RBB TODAY

熱狂的ブームの音声SNS「Clubhouse」その魅力はどこにあるのか?

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熱狂的ブームの音声SNS「Clubhouse」その魅力はどこにあるのか?
熱狂的ブームの音声SNS「Clubhouse」その魅力はどこにあるのか? 全 7 枚
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 急激にユーザーを増やしている音声SNS「Clubhouse」。日本国内では1月末からユーザーが増え続け、熱狂的ともいえる状況になっている。ClubhouseとはどのようなSNSなのか、そしてなぜ、ここまで支持されているのかについて解説しよう。

国内ユーザー数急増中の音声SNS


 米国発のClubhouseは、音声による「会話」でユーザー同士がコミュニケーションをとるSNS。スタートしてまだ1年に満たない新しいサービスだ。公式ブログによると、創始者であるローハン・セスとポール・デイビソンは10年にわたってソーシャルアプリの開発に取り組み続けてきたという。Clubhouseの開発は2019年秋に開始し、2020年3月にサービスがスタート。その後10か月で、世界で200万人のユーザーが参加しているとのことだ。

 日本では1月下旬にアプリが利用可能になり、1月末から一気にブームとなった。Yahoo!リアルタイム検索のデータを見ると、Twitterでの「Clubhouse」を含む日本語の投稿は、1月23日までは1日100件以下だったのに対して、24日は1117件、27日には2万件を超え、30日には4万6000件に達している。30日をピークに投稿数は下降しているものの、非常に短期間で広まったことがわかる。

1月24日以降にツイート数が急増している(画像はYahoo!リアルタイム検索より)


 なお、現状ではiOSアプリ版しかリリースされておらず、Androidユーザーは利用できない。また、iOS版アプリも日本語化はされておらず、メニューなどの表記はすべて英語となっている。

偶然の出会いが生まれやすい


 Clubhouseでは、自分の好きなテーマで「ルーム」とよばれる部屋を作り、他のユーザーと交流できる。ルームの内容は、著名人が対談などを行うものから、知人同士が少人数で雑談するものまで多岐にわたり、企業が自社サービスPRの場として使ったり、採用イベントを実施したりと、早くもビジネスに活用するケースも生まれている。

 事前登録の必要な従来のオンラインイベントに比べて参加のハードルが低く、偶然見かけたルームで有益な情報を得られたり、通常なら接点のない人と交流できたりといった、偶然の出会いが生まれやすい点も特徴といえる。

さまざまなテーマの「ルーム」が作られている


 なお、参加者が会話内容を録音したり、ルーム内で話されていたことを口外することは規約で禁じられている。アーカイブが残らないことから、「ここだけの話」がしやすい点も支持されている理由のひとつだろう。

ルーム内には参加中のユーザーのアイコンが並ぶ


 ルーム内の参加者は、主催者権限を持った「モデレーター」、発言権のある「スピーカー」、その他の参加者である「リスナー」に区別される。話したいリスナーは、アプリ内の「手をあげる」ボタンで意思表示することができ、モデレーターが許可すれば発言が可能になる。

 イベントの途中で主催者と面識のない参加者がスピーカーとして参加し、そこから新たな方向に話題が広がることも多く、主催者と参加者の距離の近さも魅力となっている。

「招待制」がユーザー同士の連帯感を高める


 「招待制」であることもClubhouseの大きな特徴だ。その方法には2種類ある。まずひとつは、ユーザーが自分の招待枠を使って知人などを招待するケース。Clubhouseでは、ユーザーごとに「INVITES」と呼ばれる招待枠が付与される。具体的なしくみは明らかにされていないが、アプリ内で積極的に活動することで枠が増えるようだ。付与された招待枠に応じて、アプリ内からSMSで招待リンクを送ることができる。

自分がClubhouseで交流したい人を選んで招待できる


 もうひとつ、招待枠を消費せずに招待する方法もある。この場合、参加を希望する人がClubhouseアプリをインストールし、ユーザー名などの事前登録を行っておく必要がある。さらに、招待する側・される側双方の電話番号がiPhoneの連絡先に登録されていることも条件となる。

 事前登録後、約1日経過すると、双方の電話番号を知っているClubhouseユーザーの画面に「〇〇さんが参加を希望しています」という旨のメッセージが表示される。ここで参加を承認すれば、招待枠を使わずに招待が可能だ。

事前登録を行った知人がいると、メッセージが表示される


 前者の方法は招待する側が相手の電話番号を登録しているだけでよく、後者は双方が電話番号を登録している必要があるという違いはあるものの、いずれにしてもまったく知らない人から招待を受けるのは難しいしくみになっている。このことによって、ユーザー同士の連帯感が生まれやすいのも同サービスの特徴だろう。

コロナ禍で「会話」に飢えた人たちにヒット


 Clubhouseがここまで人気になった最大の理由は、コロナ禍で人と直接人と会えない時期が続き、「気軽に会話をする」ことに飢えていた人が多かった点にあるだろう。

 これまでにもZoom飲み会などの文化はあったものの、映像をともなうコミュニケーションの場合、身だしなみを整えたり室内のカメラに映る場所を片付けたりする必要があり、それなりに負担が生じていた。「音声だけ」というClubhouseのコミュニケーション方法は、オンラインでの交流のハードルを大きく下げたのではないだろうか。

 さらに、見知らぬ人の会話を傍聴したり、自分もその会話に加わったりできる点は、カフェで隣の席の人の会話をこっそり聞いたり、居酒屋でたまたま居合わせた人と意気投合したりといった、リアルな場での人との関わりに近い楽しさがある。

ビジネス活用は他のツールとの「併用」が現実的か


 現在のブームが一過性のものとして終わるのか、新たなプラットフォームとして定着していくのかはまだ見えていないが、ビジネス活用においては、少し工夫が必要になりそうだ。

 アーカイブを残せないという特徴は、「その場でしか聞けない」という希少性が魅力になる一方で、情報を広く確実に伝えるには適していない。そのため、たとえばオンラインセミナーをZoomで開催した後、主催者と参加者の交流会をClubhouseで実施するなど、既存の他のツールと組み合わせた活用が現実的だろう。

 また、アプリ内にはテキストでコミュニケーションを取る手段が用意されていないため、「Clubhouseでつながった先」の流れをどうするかも課題となる。Clubhouseのプロフィール欄には、TwitterおよびInstagramのアカウントをリンクできるようになっているが、それ以外のURLを入れることはできず、プロフィール欄の文字列もコピーできない仕様になっている。

リンク可能なのはTwitterとInstagramのみ。プロフィール内の文字列もコピー不可だ


 そのため、リンクしたTwitterやInstagramアカウントの見つけやすい場所に必要な情報を記載したり、ダイレクトメッセージを受信可能な設定にしておくなどして、興味をもってくれた人を取りこぼさない流れを作る必要がある。

 また、iPhoneユーザーしか参加できない点もビジネス活用においてはネックになる。現状では、Clubhouse上でイベントを実施するとAndroidユーザーを排除することになってしまうため、本格的なビジネス活用はAndroid版アプリの登場を待つことになるのではないだろうか。

 ユーザー側の利便性の面では、アプリ内の表記がすべて英語である点も、新規参加のハードルのひとつになっていそうだ。Androidで利用可能になり、アプリも日本語化されれば、より多くのスマホユーザーに広まり、新たな情報発信やコミュニケーションの場として定着していきそうだ。

《酒井麻里子》

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