9月公開が決まっている映画『ムーンライト・シャドウ』に、宮沢氷魚の出演が決定した。
1989年に刊行された吉本ばなな著『キッチン』は、社会現象ともいえるヒットを記録し、これまでに世界30カ国以上で翻訳。発売から30年以上経った今でも世界中の人々に愛されている。そして、今作の原作で『キッチン』に収録されている短編小説『ムーンライト・シャドウ』は、1987年に吉本ばななが大学の卒業制作として発表。吉本自身も「初めて他人に見せることを前提に書いた思い出深い小説」と語った作品。
今作は、突然訪れる恋人の死をなかなか受け入れることができない、主人公・さつきの一人称の視点で描かれる、「さよなら」と「はじまり」のラブストーリー。すでに主演に小松菜奈が決定しているが、このほど宮沢が、小松演じるさつきの恋人・等役を務めることが決定した。主人公・さつきの恋人・等は、全てを包み込むような優しさを持つ一方、ふといつのまにか、その場からいなくなってしまうような儚さがどこか漂う。等の優しさと雰囲気にさつきは惹かれ、二人は恋人として幸せな時間を過ごしていく。しかし、等は突然帰らぬ人になる。
宮沢は同作について「最初に台本をいただいて読んだ時に、自分自身と等に近しいものがあるように感じ、物語が自分の中にスーッと浸透していく気持ち良さがありました。等の苦悩や悩みもすごく共感できましたが、等に訪れる死というものは忘れて、一つ一つのシーンや瞬間を、等として一生懸命生きるという考え方で撮影に臨みました」とコメント。「主人公のさつきは、個性的で自分の意志をしっかりと持っている女性なので、演じるのは独特の空気感を放つ小松さんしかいないと思いました。『ムーンライト・シャドウ』という作品を背負って主人公のさつきになった小松さんがしっかりと先頭にいたので、現場のチーム力も高まっていき、小松さんにもすごく感謝しています」と主演の小松について語っている。
なお、宮沢の出演決定にあわせて特報映像及び場面写真、ティザービジュアルも解禁されている。