中村雅俊、付き人だった小日向文世の主演舞台に驚き
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小日向は20歳の時、写真学校に入学したが、卒業時に突然俳優を志し、文学座を受験したものの不合格に。来年また受けようと思っていたところに、文学座のスターだった中村雅俊がスタッフを探していると聞き、来年の再受験に有利になるかもとの思惑もあって応募したという。最初はコンサートのスタッフだったが、その後、付き人も務めるようになった。
「付き人という感覚より、ちょっと年下の弟分みたいな感じだった」と語る中村に、小日向は「優しいし、いろんな話聞いてすごいなと思いながら、俺も早くあっち側行かなきゃなと思っていた」と振り返った。
何年かして、小日向から中村に「芝居をするから見に来て欲しい」と連絡があり、見に行くと、小日向が主演だった。「小日向が芝居をするなんて。それまで芝居の話もしたことないし」と驚いた中村。「目の前で芝居してるんだよ。もう俺、緊張しちゃってさ。せりふ大丈夫かとか、すごい思って。でも、俺の印象では、なんかうまいなと。引き込まれていく感じがすごいあった」と話した。
終演後、劇場の裏手の喫茶店で話した2人。アルバイトしながらの舞台俳優業で生活が苦しい小日向に、中村は「俺はおまえに仕事回すことできるよ。おまえ、それ嫌だろ。自分ではい上がってこい」と励まし、小日向は「頑張ります」と答えたという。
《角谷》
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