『映画 太陽の子』有村架純、故・三浦春馬さんの役者論明かす「自分たちの仕事・役目は......」 | RBB TODAY

『映画 太陽の子』有村架純、故・三浦春馬さんの役者論明かす「自分たちの仕事・役目は......」

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(C)2021 ELEVEN ARTS STUDIOS / 「太陽の子」フィルムパートナーズ
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 『映画 太陽の子』の公開初日舞台挨拶が6日、TOHOシネマズ 六本木ヒルズにて開催。柳楽優弥、有村架純、黒崎博監督が登壇した。


 同作の主人公で原爆研究という極秘任務に情熱を燃やす科学者の兄・石村修を演じた柳楽は「本日はありがとうございます!2年前に撮影を終えて、いよいよ今日初日を迎えられて皆様にお届けできて嬉しく思います!」と無事公開を迎えられた感謝の気持ちを表現。続いて紫色のシックなドレスをまとった有村は「2年前に撮影をしていて、公開まではあっという間だなという思いと、今日が広島に原爆が落とされた日ということで、そんな日にこの映画が公開できることが意味があるなと改めて思います」と同作の“原爆開発“というテーマと深い関係を持つ8月6日の公開となったことにも触れ、感慨深く挨拶した。

 登壇した柳楽・有村に加えて、故・三浦春馬さんの3人の演技が評判の同作。過去に共演経験があったからこそ兄弟・幼馴染という関係性が自然と演じられたという演技について柳楽は「本当にたくさん思い出があるんですけど」と切り出し「中でも京都の川沿いを僕と春馬くんが一緒に走っているシーンで、春馬君の体力がタフで僕が追いつけなかった。その様子そのものが劇中のキャラクター性とリンクしていて好きなシーンです」と振り返った。有村は柳楽・三浦さんの2人について「柳楽さんと一緒に過ごして思ったのは周りを巻き込む力が強い方だなと。そこにいるだけで周りがどんどん吸い込まれていくような、空気が変わるってこんな感じなんだなと思いました。春馬さんはまたそれとは違って、色んな空気とか個性とかを全て調合して新しいものを作ってくれるという雰囲気を感じて。春馬さんはどこに行ってもみんなが気持ち良い空気が作れる役者さんだと感じました」と振り返った。

 ここでスクリーンに場面カットを映し出し、具体的なシーンについて語るパートに突入。3人が京丹後の美しい海でひと時の夏休みを過ごすシーンについて有村は「京都ロケの最初の方に撮った記憶があるんですけど、初めて3人の幼馴染の空気感が出るシーンで、3人が子供に返ったような気持ちで過ごす重要なシーン。でも、すでに空気感が出来ていて、アドリブもやりとりの中にあったり、印象に残っているシーンです」と幼馴染の限られた楽しい時間を大切に過ごしたことが明かされた。さらに、田中裕子演じる母・フミが戦地に戻る三浦春馬演じる弟・裕之を見送るシーンについて柳楽は、「裕子さんの演技も勿論なんですけど、やっぱり春馬くんの雰囲気っていうのも素晴らしいなと見ていました。シンプルな心理状態じゃないところが後半は多かったです」と原爆開発に携わる兄・修と、いつ命を落とすか分からない戦地に戻る弟・裕之という兄弟の関係性も踏まえて、弟への複雑な気持ちを振り返った。

 舞台挨拶も終盤、MCから最後の挨拶を求められた黒崎は「敵と味方の話ではなくて、それを超えたところで人間みんなの問題として見てもらえる映画にしたいと思って日本人だとか何人だとかを超えて理解して感じてもらえるように演じていこうとキャストの皆さんとも話しました」と同作に込めた思いをコメント。続けて、「正直に申しますと、足りないんじゃないか。春馬くんが何でここにいないんだろうと思います」とし、「柳楽くんも有村さんも春馬くんもその他のキャストみんなで言いたかったのは、どんな難しい状況でも最後は生きて、生きて、生き抜くことしかないということ、バカみたいにストレートなメッセージだけは少しでも皆さんに届くと、残ると、こんなに嬉しいことはないなと思います」と観客に向けて力強くメッセージを送った。

 続く有村も「この作品においては本当に沢山の伝えたいメッセージというものがあって、戦時下の話ではありますが、当時生きた若者たちが未来を作るために懸命に生き抜いていく青春のお話でもあります。今は先行きが不透明で、なかなか未来のことを考えるのも疲労してしまうような状況ではあると思うんですけど、考えることを諦めてしまうのは私としては心苦しいなと思うので、春馬さんもよく仰っていた『自分たちの仕事・役目は想像力を届けることだ』ということを改めて自分も皆さんと一緒に考えていけたら嬉しいなと思います」と一緒に舞台に立つことが叶わなかった三浦の言葉を挙げながら、締めくくった。

 『映画 太陽の子』は、現在公開中。

《KT》

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