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すでに書籍で人気を博していた『ハリー・ポッター』は、映画化がアナウンスされると、さらなる注目を集め「子役探しが進行中」とニュースになった。オーディション会場には信じられないくらいの人が集まり大混雑。番組ではその時の様子も公開される。会場ではいろんな3人組が試されたが、エマ・ワトソン曰く「この3人(ダニエルとルパート)の時は何かが違ったし、自然と息があってた」。番組では、ハリー役の子役探しが難航していたことも監督のクリス・コロンバスの口から明かされる。最終的に選ばれた3人は記者会見映像で「まるで人生がひっくり返ったみたいよ」(エマ)「(有名になるのは?と聞かれ)いいね」(ダニエル)など無邪気に応えているが、子役たちを扱う現場の苦労は想像に難くない。
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当時の子役たちは、共演する大人たちの凄さにも気づいておらず、これが仕事だとさえ思っていなかったという。ハリー役のダニエルは「大人の俳優の反応の速さに驚かされた」と回想し、トム・フェルトン (ドラコ・マルフォイ役) は「リチャード・ハリス(ダンブルドア校長役)をツアーガイドだと思っていた」と告白した。このような環境を作っていたのもスタッフや監督たちの配慮だった。監督は「皆には家族のように安心て臨んでほしいので 苦しみをみせなかった」という。そのおかげで、作品に自然さやリアリティーがでたという。
話題になった『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』でのルパートとエマのキスシーンについても本人たちの思いが明かされている。ルパートは「頭が真っ白だった。顔が近づいていることしか覚えていない」と話すと、「毎回ホラー映画みたいに話をするわよね」とエマ。デヴィッド・イェーツ監督は「2人が自然に演じられるように話し合った」と明かす。番組では撮影中「話し合いたい場面があるんだ」と切りだす監督に、「何?今週?」と驚きを隠せないエマの姿も映し出されている。
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3人以外にも番組では“変わり者”とされる登場人物にもスポットが当てられる。その一人がルーナ・ラブグッドを演じたイヴァナ・リンチだ。当時のスクリーンテストを振り返り「彼に話しかけられても無言だった。映画を見ている気分でね。そのおかげで合格したのかも、ルーナらしくて……」と話した。彼女はいわゆる不思議ちゃん風に描かれているが、本人は「多様性は映画のテーマのひとつだから、風変わりな性格が能力として絵かがれるのはうれしかった」とコメントしている。
当初、ハリー役のダニエル・ラドクリフの両親は出演を断ったという裏話も。シリーズの長期間にわたる撮影を考えると“人生が狂う”と考えたらしい。その後3人には、「降板したらどうなるか」考える時期もやってくる。家族よりもスタッフや共演者と過ごす時間が長くなるなかで、作品にどう向き合い何を感じていたか知ることができる貴重な番組と言えるだろう。
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