大谷翔平選手に1460日密着した書籍が本日発売!巻頭カラーページ&著者コメントが公開に | RBB TODAY

大谷翔平選手に1460日密着した書籍が本日発売!巻頭カラーページ&著者コメントが公開に

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 ロサンゼルス・エンゼルスの番記者ジェフ・フレッチャー氏が大谷翔平選手に1460日間密着して書きつづった著書『SHO-TIME 大谷翔平 メジャー120年の歴史を変えた男』(徳間書店)が本日12日に日米同時発売。このほど、重版が決定し、著者ジェフ・フレッチャー氏のコメント動画、巻頭カラーページ、そしてエンゼルス前監督のジョー・マドン氏が同書に寄せた序文が公開となった。

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 同書には投手・打者の二刀流で活躍する大谷選手のアメリカでの活躍の秘密がジャーナリスト視点で記されている。日本時代から現在に至るまでの大谷選手を、メジャーの歴史と照らし合わせながら、アメリカ人が驚愕したパフォーマンスの秘密に迫っている。MVPという光の部分だけでなく、トミー・ジョン手術によるリハビリなど、日本ではあまり報道されていない一面も余すところなくつづられている。

 エンゼルス前監督のジョー・マドン氏による序文は以下の通りだ。

 2021年シーズン最終盤、われわれはオークランド・アスレチックスと対戦していたが、ショウヘイが登板したのは、うだるような暑い午後だった。私はアスレチックスの一塁手、強打者のマット・オルソンを歩かせるよう捕手にサインを出した。ショウヘイはこの指令を受けたが、私に笑顔を見せつつ指を前後に振った。つまり、敬遠なんてしたくないのだ。そんな必要はないのだと訴えているのだった。私はこの意図を受け入れ、笑顔を返した。試合終盤になり、再びオルソンが打席に立ち、カウントが2ボールノーストライクになった。再び私は敬遠を命じたが、ショウヘイはまたも同じ反応を見せた。あいつはオルソンとの対戦で、どうしたいのかが明確だった。絶対に打ち取れると確信していたのだ。周囲の雑音など求めていなかった。オルソンの対大谷の数字は、まあ、ひどいものだった。ショウヘイに対して手こずっていたし、ショウヘイもそれをよくわかっていた。私は笑いながら、指を振り返した。私は監督として、ショウヘイの意図を却下したが、それでもショウヘイの自信は大したものだと感心した。

 当然のことだが、ショウヘイは今までに誰も見たことのない孤高の存在だ。あいつの日々の戦績は、あまりにも突出している。だが、あいつの本質はあの日の午後に集約されていると私は思う。つまりそれは、野球そのものと試合を可能な限り楽しもうとする姿勢だ。負けたくない思いは誰よりも強い。同時に、謙虚で、礼儀正しく、優しい男だ。ある意味で古風な気質を備えているともいえよう。対戦投手のことについて、打撃コーチに助言をあおぐこともある。投手として対戦打者への配球をどうするか、スカウティングレポートに耳を傾けることもある。しかし、いざ球場の中に入ると、この男は腕を思い切り振って大胆な絵を描いて見せるのだ。何をしたいのか、何をすべきかを自分でもよく理解している。だから、毎回の状況に対しても独自に対処できる。周囲は何も言う必要はないのだ。ほかのどんな選手よりも優れているから。そして、試合の中で対戦相手を負かすには何が必要なのかを見極め、実践することができるということだ。

 私のエンゼルスでの監督1年目は、2020年になるわけだが、全世界を新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)が襲った1年でもあった。そしてまだ、ショウヘイのことはよく知らなかった。私はただ目と耳を大きく開き、口を閉じて周囲の全員の反応を追っていただけだ。だが、2021年に入り、私はショウヘイに対してどのような制限をかけるか、新任のペリー・ミナシアンGM(ゼネラルマネージャー)と協議する必要性を痛感した。その結果、われわれはショウヘイに一切の制限をかけないと決めた。あいつを無理に縛ろうとしなかった点において、ペリーは高く評価されるべきだと私は思う。休養を取り払ったことが、ショウヘイの大躍進につながった。あのような大成功が実現したのは、誰も横槍を入れて邪魔しなかったからだ。

 私がもっとも驚かされるのは、投手としてのショウヘイの耐久力だ。打撃のほうでは大きな飛球を打ってくれると信じていたが、あれだけのイニングを投げてくれるとは思わなかった。見事に長いイニングを投げてくれて、さらに長く投げられそうな勢いだった。シーズンが進むにつれ、あいつは試合中ずっと出ていたいのだと、われわれも認識するようになった。試合に出ていさえすれば、試合展開に大きな影響をもたらし、勝ちに貢献できるという確信が、あいつの中にはあるからだ。登板の際には、もっと勝利に貢献したいからと打撃も志願する。攻撃の際には、打つだけでなく盗塁もしてわれわれに勝ちをもたらそうとする。平凡なセカンドゴロを打ったときでも、内野安打の可能性を信じてトップギアで全力疾走する。見ていて実に気持ちのよい光景だ。まるで大型のワイドレシーバーを見ているようだ。大柄で、手足が長く、映え、強靱で、しかも俊敏だ。本当に俊足なのだ。

 繰り返すが、ショウヘイが野球を楽しむ姿勢はどれほど強調してもまだ足りない。あれだけの大成功を収めながら、今もまだ野球を楽しんでいる。似たような存在として思い出すのは、カル・リプケンJr.だ。体格がどうこうの話ではない。遠くから見ていて、野球を楽しめること自体がカルの最大の資質だとつねづね私は感じていた。プレーすることを楽しんでいて、試合が楽しくて仕方ないのだ。ショウヘイもまったく同じだと私は見ている。同じく、ショウヘイの闘争本能の強さもカルを彷彿させるところである。ショウヘイはとにかく負けたくないのだ。つねに試合に出ようとすることが、カルを突き動かし続ける原動力だった。ショウヘイもまったく同じだ。われわれのロッカールームには小型のビリヤード台があり、試合終了1時間後に私が球場を出ようとすると、ショウヘイはまだ勝負していたりする。これぞ、ショウヘイだ。いつも競い合い、しかも、楽しんでいるのだ。



《松尾》

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