これまでの王道ラブコメとは異なる魅力!韓国ドラマ『社内お見合い』の見どころ徹底解説! | RBB TODAY

これまでの王道ラブコメとは異なる魅力!韓国ドラマ『社内お見合い』の見どころ徹底解説!

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これまでの王道ラブコメとは異なる魅力!韓国ドラマ『社内お見合い』の見どころ徹底解説!
これまでの王道ラブコメとは異なる魅力!韓国ドラマ『社内お見合い』の見どころ徹底解説! 全 3 枚
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Netflixで好評配信中の韓国ドラマ『社内お見合い』。同名のウェブ漫画を原作にしたラブコメディー作品だ。

研究員としてジーオーフード食品開発1チームに勤務するシン・ハリ(キム・セジョン)と親友で財閥令嬢のチン・ヨンソ(ソル・イナ)。ジーオーフードの社長でハーバード大学を卒業した財閥御曹司のカン・テム(アン・ヒョソプ)とジーオーフード秘書室長であり、テムの秘書のチャ・ソンフン(キム・ミンギュ)ら4人の男女を中心に恋愛模様が繰り広げられる。

財閥御曹司と庶民の女性との恋愛というのは、これまで数多くの韓国ドラマで制作されてきた。パク・ソジュン&パク・ミニョンの『キム秘書はいったい、なぜ』や、イ・ミンホ&パク・シネの『相続者たち』、ヒョンビン&ハ・ジウォンの『シークレット・ガーデン』など。

しかし本作は、王道ラブコメでありながら、これまでとは少し趣が違うところがある。見どころはどんなところか、ピックアップしてみたい。(以下、ネタバレあり)


ヒロイン2人のコメディエンヌぶりが半端ない!?


本作のストーリーを簡単に説明しよう。

ハリは、研究員としてジーオーフードに勤務する女性で、チキン店を営む両親と弟の4人で、平凡ながらも幸せに暮らしている。

そんなハリは、父親からのお見合い攻撃に辟易している親友の財閥令嬢・ヨンソに頼まれて、代理で見合いの場へ乗り込み、場をぶち壊すという荒業を行っていた。ある日のお見合い相手が、ハリが勤務するジーオーフードの社長・テムだったところから、ドタバタ劇がスタートする。

テムも財閥御曹司として、祖父(イ・ドックァ)からお見合いを強制され、ウンザリしていた。ところが見合いをぶち壊すために現れたハリは、これまでの見合い相手とは違い、異彩を放っていた。

そんなハリに興味を持ち、これ以上祖父から見合いを強制されないように、偽の恋人役を依頼する。お金に困っていたハリは、ジーオーフードの社員だとバレてしまうのでは…とビクビクしながらも、シン・クムヒと偽名を名乗り、引き受ける。こうして2人の偽の交際が始まるのだが、共に過ごす時間を経て、お互いの気持ちが本物の愛に変わっていく。一方で、テムの秘書・ソンフンとヨンソも恋に落ち、こちらも財閥令嬢と一般庶民の男性という位置づけで恋愛を展開していく。

これぞ王道ラブコメという作品ではあるのだが、ヒロイン2人のコメディエンヌぶりが半端ではないところが、大きな見どころといえるだろう。

ハリを演じるキム・セジョンはアイドル出身で、可愛らしい風貌が魅力的。そして親友のヨンソを演じるソル・イナは、クールビューティーという呼び名がぴったりの正統派美人だ。セジョンは、ハリとクムヒの2役を演じるドタバタぶりを、体を張って熱演。中でもいわゆる顔芸がものすごいのだ。その面白い表情の数々に吹き出してしまうこと、しばしばだ。

イナは、スマートな風貌で財閥令嬢といった役どころがとても良く似合うが、そんなスマートさと真逆の演技が多々ある。特にトイレを我慢できず、慌てふためきながら探し回る様子は、なかなか見応えがある。

ラブコメの女王と呼ばれているパク・ミニョンに次ぐ、いや、もしかしたら本作に関していえばそれ以上のパフォーマンスを見せている2人に注目だ。


財閥=悪者設定は、もう古い?



イケメンで仕事もできるテム


ジーオーフード社長のテムと秘書のソンフンは、兄弟のように育った間柄だ。ソンフンは児童養護施設で育ったのだが、テムの祖父に引き取られたことで、幸せに過ごしてきた。しかし大人になってからも育った養護施設への恩を忘れず、時々テムと一緒に訪れて支援をしている。

韓国ドラマでは、財閥=悪者という描き方をすることが多いが、本作では違う。もちろん「さすが財閥。言っていることのスケールが違う」と感じるところは多々あるのだが、テムをはじめとして、心の温かい人が多いのだ。

テムは早くに両親を交通事故で亡くし、心に傷を負っているため、素直でないところもあるが、根はとても真面目で優しい人物。ソンフンに対しても見下した態度は一切とらない。そしてハリと出会うことで、本来の優しさが、外面ににじみ出るようになってくる。

また、テムの祖父も愛すべきキャラクターだ。テムやハリに騙されることで大いに憤り、テムとハリにとっては「ラスボス」のような存在になる。しかしハリのあまりのかわいらしさに、思わずノリノリで話をしてしまうお茶目な面があり、強引ではあるものの、決して傍若無人ではない、優しいハラボジ(お祖父さん)として描かれている。

そして何より財閥令嬢のヨンソが、お世辞にも裕福とはいえないハリのことを、とても大切にしているところが良い。高校時代にハリと知り合い、ハリの家に出入りするようになってから、家族ぐるみの付き合いをしている。

ハリの母親はヨンソのことを「次女」と呼び、実の娘のように可愛がり、手料理を振る舞う。ヨンソは実の父と折り合いが悪く、家庭の温かさを知らない女性だ。そういう境遇だからこそ、ヨンソはハリの両親に、実の父親よりも愛着を持っているのだ。

何不自由なく暮らせる身分なのに、ハリの家をたびたび訪れ、家族と触れ合っている時のヨンソは本当に幸せそうだ。あまりに馴染んでいるから、ハリの家族もヨンソが財閥令嬢ということを忘れてしまうほど。

そもそも同じ国民なのに、財閥だの庶民だのと言っているほうがナンセンスではあるが、本作を見ていると、この2つの間に立ちはだかっていた大きな壁が、少しだけなくなったような気がした。

偽りで始まった二人の恋だが…



愛すべき脇を固める役者たち



ドラマを楽しむ上で、欠かせない脇役キャラ。本作でも愛すべきキャラクターが盛りだくさんだ。

ハリの職場の上司で食品開発1チームのヨ部長を演じているキム・ヒョンスクや、万年次長だと自虐的に言うケ次長を演じるイム・ギホン、そして細かいところをよくチェックしている今どきの若者・ヘジを演じるユン・サンジョン。職場のシーンが多いため、この3人は本作において、なくてはならないスパイスになっている。

中でも、ケ次長を演じるイム・ギホンが面白い。本作でお笑い担当として、確実に存在感がある。

見どころなのは、食品開発1チームの飲み会に、社長であるテムが飛び入り参加する場面。場を盛り上げるべく踊りながら爆弾酒を作るシーンで、とてもきれいな身のこなしをしている。それもそのはず、ギホンはもともとミュージカルで活躍している役者なのだ。

そしてもう一人、強烈な個性をアピールしているのが、ヨンソの従妹のユジュンだ。こちらは財閥令嬢らしく、わがままでどうしようもない性格という設定だが、訳の分からない英語を交えて話し、ちょっとドジなところがなんとなく憎めない。

従妹であるヨンソを目の敵にしつつも、肝心なところで頼ってくるところはかわいらしい。ヨンソの前で「I have no チング~~」と泣き叫ぶところに、申し訳ないと思いつつも笑ってしまった。

セジョン&イナの美しさ、ヒョソプ&ミンギュのイケメンぶりだけでなく、こうした愛すべき脇役たちの活躍も、本作の中でしかと見届けてほしい。

※Netflixシリーズ『社内お見合い』独占配信中

■筆者プロフィール

咲田真菜

舞台・映画・韓国ドラマの執筆を手掛けるフリーライター。映画『コーラスライン』でミュージカルに魅了され、あらゆる舞台を鑑賞。『冬のソナタ』で韓国ドラマにハマって以来見続け、その流れで韓国映画、韓国ミュージカルにも注目するようになる。好きなジャンルはラブコメ、ファンタジー、法廷もの。ドロドロした愛憎劇は苦手。好きな俳優はイ・ビョンホン、イ・ジョンジェ、ヒョンビン、キム・ドンウク、チャン・ギヨン。いつか字幕なしで鑑賞したいと韓国語を勉強中。

《咲田真菜》

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