しゃぶしゃぶ食べ放題の定番、「温野菜」とは?
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温野菜といえばリーズナブルな価格設定で、豚しゃぶや牛しゃぶなどの肉類はもちろん、季節の国産野菜やサイドメニュー、デザートまで60種類以上の食べ放題や、お一人様でも気兼ねなく注文できるしゃぶしゃぶ御膳を楽しむことができる。様々な味変やアレンジをしながらつい食べ過ぎてしまうお馴染みの店舗だ。
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因みに温野菜の肉類は、カットしやすい最適な温度にしたうえで全店舗で都度スライスして提供している。急速解凍をしていないため鮮度も良く、客のテーブルに届くタイミングが一番おいしい状態だそうだ。さらに、しゃぶしゃぶとの相性を高める肉の厚みにまでもこだわってスライスしているとのことである。
2023年の 「梅たんしゃぶ」のこだわり
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今年の「梅しゃぶ」は、まずそのビジュアルに目が行く。紅芯大根(こうしんだいこん)を煮詰めることで、色素が溶けだして濃いピンク色に染まるだし汁。クレソンや金美人参(きんびだいこん)といった鮮やかな野菜と梅の花が咲いているような梅麩(うめふ)など、映え鍋としての話題も呼びそうだ。そして、鰹の風味を例年より強くし、紀州南高梅の梅肉と梅酢をあわせただし汁は、肉や野菜の旨味を引きたてる味わいに仕上げた。
実食!「梅たんしゃぶ」と、さらにおいしく食べる方法。
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今回は食べ放題メニューにて、おすすめの食べ方やアレンジを踏まえて紹介する。まずは梅だしの味から。昆布と鰹で取っただしの甘味、紀州南高梅と梅酢の酸味が混ざり、酸っぱすぎない、さわやかな風味だ。紀州南高梅は鍋の中に2つ入っており、梅干しサワーのように潰しながら梅感を強めたりとアレンジしながら食べることができる。途中、鬼おろしを投入してみぞれ鍋に変更してもいいだろう。
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因みにコースの肉を選ぶ際は、あっさりとした食感を楽しみたい方はたんしゃぶ、口に入れると即とろけるあと引く味わいを感じたい方はイベリコ豚、濃厚な肉の旨味を味わいたい方は牛しゃぶを注文すると良いだろう。筆者はさっぱりしたたんしゃぶが梅だしとの相性が一番良い気がした。是非食べ比べてみてほしい。
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肉はそのままはもちろんだが、旬野菜を中心に巻いて食べることをおすすめする。特に季節限定の、紅芯大根、クレソン、金美人参の彩り豊かな肉巻きは、コリコリとした食感とほろ苦い味わいを楽しめる。
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さらに梅を強く感じたい方には、胡瓜の梅水晶を注文し、梅肉と一緒に食べてみてほしい。梅好きのための技ありの食べ方だ。
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他にも竹筒鶏つみれの上に、もちしゃぶと梅肉を乗せると、トロトロと餅がつみれに絡んで食べ応えある逸品になる。
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梅だしを十分堪能した後は、アレンジだれで味変するのが鉄則だ。ごまだれ、ラー油、おろしにんにく、万能ねぎ、一味唐辛子で「坦々つけだれ」を作れば、また箸が止まらなくなるはずだ。
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〆には、玉子雑炊を頼み、(卵は使用せず)梅だしを回しかけて梅茶漬けにする方法か、コース限定の梅おろしうどんの2択を推奨したい。因みに筆者は梅茶漬けに感動した。肉や野菜の旨味が凝縮された梅だしが、海苔だけの具なし茶漬けにもかかわらず満足度十分だった。
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鍋やサイドメニューの充実度で、デザートまではたどり着けない方もいるかもしれないが、是非別腹で食べていただきたいのが、コース限定の「店内仕込みのほうじ茶ティラミス」である。加賀坊茶の香りが口全体に漂い、モチモチ食感のスイーツだ。
今回は、梅だしの美味さだけでなく、全店舗での肉の手切りについても強い印象に残った温野菜。新鮮な肉が食べられる再発見は大きかった。さっぱりした梅だしだからだろうか、様々な野菜をおいしく食べられたからなのだろうか、それともたんしゃぶが脂肪分少ないからなのか。とにかく凄いボリュームを何の飽きも来ず、そして罪悪感なく食べた。これは、家族や友人と早く再訪したい。
※筆者プロフィール
渡邉香織
全国各地、ジャンクフードから高級フレンチ、赤提灯にコンビニ飯までジャンル問わず、ひたすらリサーチと食べ歩きを繰り返してます。いえなかグルメ、手土産グルメにも自信あり。皆さんが本当に知りたい情報、心を込めてお伝えします!