【大学入学共通テスト2023】問題量の増加、今後も継続!平均点は数学で大幅上昇、生物は過去最低点 | RBB TODAY

【大学入学共通テスト2023】問題量の増加、今後も継続!平均点は数学で大幅上昇、生物は過去最低点

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共通テスト志願者における現役生の割合
共通テスト志願者における現役生の割合 全 3 枚
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 河合塾は2023年1月19日、大学入試情報サイト「Kei-Net」に2023年度大学入学共通テスト概況を公開した。受験者・志願者数は前年比3%減となったが、平均点は数学で大幅上昇、一方、生物は過去最低点となった。問題分量は増加傾向にあり、今後も継続するとみている。

 2023年度大学入学共通テスト(以下、共通テスト)は、1月14日・15日の両日に全国679の会場で行われた。河合塾は大学入試情報サイト「Kei-Net」の共通テスト特集ページで、合格可能性評価「バンザイシステム」や「ボーダーライン一覧」を公開し、動向分析等の情報を提供している。今回の「共通テスト概況」では、2023年度の共通テスト全体を振り返りまとめている。

 大学入試センターが発表した現卒別の内訳によると、現役志願者数は前年比3%減の43万6,873人。志願者数全体に占める現役生の割合は85%と過去最高となった。河合塾はこの数値から、大学入試はここ2、3年で急速に競争緩和が進み、例年以上に現役生中心の入試となったと分析している。

 受験者数・志願者数は共に前年比3%減となったが、受験率は90.7%と過去2年と同水準であった。新型コロナウイルス感染症流行前の受験率は93~94%で推移していたことを考慮すると、依然として低い受験率が継続しており、すでに総合型・学校推薦型選抜等で入学が決まっている受験生が、共通テストの受験をとりやめていることが影響したものとみている。

 全体的な出題傾向は前年から大きな変化はなく、多くの教科で文章や図表、資料等の複数のテキストを読み取り解答する出題が目立ち、過去2年出題されてきた日常生活や学習過程を想定した場面設定も多くみられた。「数学I・数学A」ではバスケットボールのシュートを題材にボールの放物運動について考察する問題、「世界史B」では先生と生徒の会話文を利用した問題が前年から倍増。多くの科目で問題ページ数が増え、限られた時間で多くの情報を処理する能力も評価しようとする傾向は今後も継続すると分析した。

 科目別では、「英語(リーディング)」「国語」の平均点が下がった一方、前年大幅に難化した「数学I・数学A」「数学II・数学B」は2科目合計で+35.8点と大幅上昇。前年と比べると「数学I・数学A」は思考力を要する問題が減ったこと、「数学II・数学B」は問題の意図が明確で計算量も減ったこと等が平均点上昇につながったとみている。特に「数学II・数学B」は80点以上の高得点層が前年から大幅に増加している。

 理科2では、「生物」の平均点が前年から10点ダウンし、現行課程に移行した2015年度以降もっとも低い平均点となった。理科2(物理・化学・生物)は科目間の平均点差は大きく開き、得点調整が行われる見込み。一方、地歴Bの3科目の平均点は60~61点と科目間による差が小さく、科目選択による不公平感はほぼ感じられなかったという。

 国公立大志望者を中心とする5教科7科目(900点満点)の受験者平均点は、文系が542.2点(+22.5点)、理系が554.0点(+30.8点)と文理共に大きく上昇。数学2科目の平均点アップの影響が大きく出た。また、文系に比べ理系の上がり幅が大きいのは、数学2科目に加え選択者の多い「物理」「化学」でも平均点が上昇したことが要因と分析している。

 成績分布をみても、文・理共に分布の山は高得点側にシフト、前年と一転して得点率8割(720点)以上の高得点層が倍増。高得点者の増加にともない、特に難関国立大の理系学部や医学科等では、予想ボーダー得点率が上昇した大学が散見されているという。

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《川端珠紀》

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