特に後半の追い上げはすごく、Netflixの日本ランキング「テレビ部門」においてはラスト4週間には上位をキープし、最終的には1位を獲得。世界ランキング「非英語テレビドラマ部門」でも2位まで上り詰め、アフリカやアメリカを含む世界25ヶ国でトップ10入りを果たしていた。
今回は、そんな世界中より熱視線を注がれていた『イルタ・スキャンダル~恋は特訓コースで』の基本情報を改めてまとめてみた。
■筆者プロフィール
山根由佳
執筆・編集・校正・写真家のマネージャーなど何足もの草鞋を履くフリーライター。洋画・海外ドラマ・韓国ドラマの熱狂的ウォッチャー。観たい作品数に対して時間が圧倒的に足りないことが悩み。ホラー、コメディ、サスペンス、ヒューマンドラマが好き。
山根由佳
執筆・編集・校正・写真家のマネージャーなど何足もの草鞋を履くフリーライター。洋画・海外ドラマ・韓国ドラマの熱狂的ウォッチャー。観たい作品数に対して時間が圧倒的に足りないことが悩み。ホラー、コメディ、サスペンス、ヒューマンドラマが好き。
公式サイト
TvN公式サイト:일타 스캔들
あらすじ
“正反対な2人の男女が織りなす恋愛模様を描く、チョン・ドヨンとチョン・ギョンホ主演のラブロマンス。”(出典:Netflix)
配信プラットフォーム
2023年5月現在、日本ではNetflixにて視聴可能だ。
見どころ
1.総菜店社長と塾講師という異色の組み合わせ
主人公は、元国家代表選手で総菜店社長であるナム・ヘンソン。早くに母を亡くし、自閉症の弟ジェウと姪ヘイを養うため、ハンドボールの道を断念。選手時代より攻守の切り替えが早く、真っ直ぐで責任感のある人物だ。もう1人の主人公は、進学塾の人気数学講師チェ・チヨル。授業内容が分かりやすいのはもちろん、容姿端麗でユーモアセンスが抜群で、受験生と教育ママの間ではカリスマ的存在だ。しかし、素顔は神経質な性格で人付き合いを嫌い、過去のトラウマによる摂食障害と睡眠障害に悩んでいる。そんな正反対の性格の2人が最悪の出会いを果たし、偶然が重なり互いの人生に関与していく中で、いつしか恋に落ちていくー。“韓ドラあるある”な展開ではあるが、これまでにない組み合わせの妙が、その先を観たいと思わせる仕組みに。
2.キャラクター背景を活かした、美味しそうな食事シーン
何かとお節介焼きなヘンソンに対し、「距離を詰めてくる人はまっぴら」と牽制するも、ナム家の温かさに触れることになり、ゆるゆると心がほだされていくチヨル。そんな彼の心の変化は、胃袋と密接にリンクしている。最初はヘンソンの作った料理だけしか食べられなかったのにも関わらず、豚足やドジョウ汁といった少し癖のある料理も、チキンなどのジャンクフードも、ヘンソンやナム家の皆と一緒なら、自然と食べられるように。その過程で描かれる飲食シーンも見どころだ。写真映えするような洒落たメニューではなく、渋い“おふくろの味”といったものが多く登場するのだが、チヨルが笑みを讃えながらムシャムシャと頬張る姿に、胃袋が大いに刺激されるはず。
3.面白おかしな「超人気マン」の登場
同作の中だるみを回避させるカンフル剤となっているのが、監督ユ・ジェウォンや脚本家ヤン・ヒスンと縁のあるイ・サンイのカメオ出演だ。彼が演じたのは、“イルタ・スキャンダル”に食いつく人気ライブ配信者「超人気マン」。緑色のキャップとオーバル型のサングラスを身に着け、自撮り棒片手にいち早く情報を伝えるために街を歩き回る、うさんくさい人物だ。カメオ出演にしては物語を大きく動かす重要な役どころで、その面白おかしな演技は必見である。
4.まさに“アオハル”な高校生たちの恋愛模様
ヘンソンの姪ヘイを巡る三角関係も大いに見応えがある。ヘイの長年の親友で密かに彼女を想い続けている“ザ・優等生”なソンジェ、好きなことは好きだと堂々と宣言するタイプの元スポーツマンのゴヌが、恋のライバルとしてぶつかり合いながらも友情を深めていく様子は、まさに青春。彼らを近くで見守る同級生のダンジも、ムードーメーカーとして良い味を出している。
5.学歴社会への痛烈なメッセージ
『イルタ・スキャンダル』に登場する教育ママたちは、本来は子どもが将来自立して幸せな人生を生きていけるようサポートするのが根底にあったはずのところ、いつしか、自身の世間体を良くする・守ることへ目的がずれてしまっている。本作は、受験生が誰のために・何のために受験をするのか、と問いかけていると言えるだろう。単なるラブコメに留まらず、社会問題にも切り込んでいることが、物語に深みをもたらせている。
キャスト
ナム・ヘンソン役:チョン・ドヨン
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数々の受賞歴を誇り、近頃は映画『非情宣言』の気丈な国土交通大臣役が印象的だったチョン・ドヨンがナム・ヘンソン役を演じている。正義感が強く真っ向から勝負をしていくヘンソンは、ともすれば少々やかましいキャラクターになりうるが、ドヨンの肩の力を抜いた自然体な演技で、とても魅力的な人物に。
チェ・チヨル役:チョン・ギョンホ
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チヨルを演じたのは、チョン・ギョンホ。厳しくて人に誤解されがちだが熱い心の持ち主というのが、代表作であるドラマ『賢い医師生活』のジュンワンにも通じるところ。冒頭、映画『キングスマン』風CM撮影でのアクションやダンス、講義中のハイキックに手慣れた板書使いなど、ナルシストなやさ男を嬉々として演じている。
ナム・ジェウ役:オ・ウィシク
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ヘンソンとチヨルの出会いのきっかけを作ったのが、ヘンソンの弟ジェウ。彼を演じたのは、ドラマ『恋のゴールドメダル~僕が恋したキム・ボクジュ』『女神降臨』など特にラブコメ作品の名脇役として有名なオ・ウィシク。本作では、自閉症という難しい役どころを自然に演じている。
キム・ヨンジュ役:イ・ボンリョン
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ヘンソンの良き親友であるヨンジェ役は、イ・ボンリョン。ドラマ『それでも僕らは走り続ける』『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』同様、頼もしくユーモアのあるキャラクターを演じている。ヘンソン役チョン・ドヨンとの掛け合いは、まるで本物の親友同士のようで、本作のハイライトの一つと言ってもいい。
ナム・ヘイ役:ノ・ユンソ
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ヘンソンの姪ヘイを演じるのは、ドラマ『私たちのブルース』で一躍有名になり、その後も映画『20世紀のキミ』やドラマ『配達人 ~終末の救世主~』など話題作への出演が続く、注目の新人俳優。本作では、保身と勇気の間で揺れ動く様を繊細に演じている。
イ・ソンジェ役:イ・チェミン
少々情けないながら愛おしく思わざるを得ない魅力を持つソンジェ像を創り出したのは、イ・チェミン。ドラマ『時速493キロの恋』で脚光を浴び、トップスターの登竜門である人気音楽番組「ミュージックバンク」の司会にも抜擢されている。
ソ・ゴヌ役:イ・ミンジェ
『模範タクシー』『ゴールデンスプーン』などでいじめっ子役を演じることが多かった分、その印象を上手いことゴヌ役に活用したイ・ミンジェ。ぶっきらぼうで一見怖そうだが、実はちゃめっ気のあるいい奴を演じ、回を増すごとに株を上げている。
チャン・ダンジ役:リュ・ダイン
ドラマ『18アゲイン』でデビューし、今回が2作目の新人俳優。ファン・ボラ演じるイ・ミオクとの“親子感”を上手く築き上げることができている。
チョ・スヒ役:キム・ソニョン
ヘイをライバル視するスアの母スヒを演じたのは、キム・ソニョン。優しい母役を演じることもあるが、ドラマ『十八の瞬間』では主人公の恋路を邪魔するスパルタ教育ママを熱演。今作のインフルエンサー教育ママ役も、まさに適任であった。
イ・ミオク役:ファン・ボラ
ダンジの母を演じたのは、ファン・ボラ。ドラマ『キム秘書はいったい、なぜ?』『ハイエナ -弁護士たちの生存ゲーム-』などでコメディエンヌっぷりを発揮してきた彼女は、本作でもスヒの腰巾着役として、体当たりで笑いを提供している。
チャン・ソジン役:チャン・ヨンナム
ソンジェの母を演じたのは、チャン・ヨンナム。ドラマ『王になった男』『サイコだけど大丈夫』などで、目が全く笑っていない笑顔のまま非情なことをするような役柄が得意なヨンナムは、本作でもその力を発揮。
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