LE SSERAFIMが“復活”を果たした。
【注目】LE SSERAFIM、試練を乗り越え復活できたワケ
4月20日、仁川(インチョン)インスパイア・アリーナで開かれた2025年ワールドツアー「EASY CRAZY HOT」にて、LE SSERAFIMはその存在感を見事に示した。
昨年、さまざまな噂や論争のなかで沈黙を余儀なくされたメンバー5人は、まるで炎の中から歩み出てきたかのように、揺るがぬ姿でステージに立った。

オープニングを飾ったのは『Ash』。「傷つくほど生きている、灰の中から新たに生まれる」という歌詞は、今回のコンサートそのものを象徴していた。
炎の演出のなか登場した5人の表情は熱く、ステージの熱気は『HOT』や『Come Over』へと続いていった。「覚悟して来たんですよね?」というメンバーたちの“警告”は、決して空言ではなかった。コンサートは序盤から全力で駆け抜け、明確なテーマを描き出した。
“復活”へのLE SSERAFIMの疾走
公演の構成も『HOT』で始まり、『EASY』『CRAZY』を経て、再び『I’m Burning Hot』で締めくくられる一貫したストーリーとなっていた。舞台演出も同様に統一感があり、正方形ではなく三角形で構成されたステージと、斜めに配置されたLEDが組み合わさり、巨大な炎が立ち上るような視覚効果を演出した。
何よりも圧巻だったのは、パフォーマーとしてのLE SSERAFIMの姿だ。ロックバージョンにアレンジされた『EASY』を皮切りに、『Fire in the belly』『Eve, Psyche & The Bluebeard’s Wife』『CRAZY』など、畳みかけるようなセットリストの中でも、メンバーたちのライブ歌唱とパフォーマンスは乱れることなく完璧だった。

熱気が最高潮に達した後半もその勢いは止まらなかった。宮脇咲良が「ここからがハイライト」と予告した通り、『FEARLESS』『UNFORGIVEN』『ANTIFRAGILE』がバンドアレンジで続けて披露され、まるでロックコンサートさながらの構成だった。『Burn the Bridge』では炎の演出も加わり、LE SSERAFIMが放つ熱いエネルギーに観客たちは熱狂した。
驚くべきは、そんな中でも終始自然体だったLE SSERAFIMの姿勢だ。昨年、実力論争や所属事務所を巡る複雑な事情、さらには虚偽の噂にまで晒されながらも、彼女たちはステージの上で全ての重荷を解き放ち、自由に楽しんでいた。
「完璧でなければ」というプレッシャーよりも、「ファンとこの瞬間を楽しみたい」という気持ちが優先されていた。顔を真っ赤にしながら「暑いですか?でも楽しいですよね?」と語りかけるメンバーの笑顔からは、どれほどこの瞬間を待ち望んでいたのかが伝わってきた。

コンサートの終盤、ユンジンは「ちょうど1年前のこの時期、“これから私たちはどうすればいいんですか?未来なんてあるんでしょうか?”と涙ながらに所属事務所に訴えたことがある」と打ち明けた。にもかかわらずステージを降りなかった理由について「FEARNOT(LE SSERAFIMファン)を守りたくて、この1年を耐え抜いた」と語った。
チェウォンも「すべての瞬間には意味があった」とし、「あの逆境の時間がLE SSERAFIMをもっと強くする機会になった」と前向きに振り返った。カズハは「FEARNOTも私たちも、数え切れない夜を過ごした」と語り、「離れることもできたはずなのに、その時間を共に乗り越えて、また目の前に現れてくれてありがとう」と感謝の言葉を伝えた。この言葉こそが、今回のコンサートに込められたLE SSERAFIMの真心を象徴している。
復活したLE SSERAFIMは、再び走り出した。仁川の熱気を胸に、今後は名古屋、大阪、北九州、埼玉を巡る日本ツアーをはじめ、台北、香港、マニラ、バンコク、シンガポールなどへとワールドツアーを続けていく。「私たちが共にする今この瞬間、熱く楽しく盛り上がろう」これが彼女たちのキャッチフレーズだ。
◇LE SSERAFIMとは?
BTSらを擁する韓国の大手芸能事務所HYBEが傘下レーベルSOURCE MUSICと共にローンチした初のガールズグループ。IZ*ONEメンバーとして活躍したキム・チェウォンと宮脇咲良を筆頭に、カズハ(日本人メンバー)、ホ・ユンジン、ホン・ウンチェらで構成された。2022年5月2日にデビューアルバム『FEARLESS』をリリースしてデビュー。直後にメンバーが1人脱退して5人組となったが、韓国はもちろん、年末にはNHK紅白歌合戦にも出場するなど日本でも話題となった。2023年1月25日、正式に日本デビューを果たした。