6試合連続QS(クオリティ・スタート)なのに1勝3敗。とことん“打線の援護”に恵まれない投手が韓国にいる。
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サムスン・ライオンズのエース投手アリエル・フラード(29)は今シーズン、開幕から6試合で先発登板し、すべての試合でQSに成功した。
だが、彼の成績は1勝3敗で防御率2.70。サムスンのみならず韓国プロ野球屈指の先発エースと言っても過言ではないが、勝ち星は去る3月22日の開幕戦キウム・ヒーローズ戦のみとなっている。
サムスンの強みは“打撃”だ。直近こそ停滞気味にあることは確かだが、それでも依然として本塁打数は27本で10球団中トップ。打点も119点と、LGツインズ(133点)に次ぐリーグ2位につけている。
“エース登板試合”で沈黙する好調打線
そんな好調打線が、フラードの先発試合では“沈黙”してしまう。開幕戦で5回に一挙13点を挙げたが、そこまでだった。
以降、フラードが登板した5試合ではチームの平均得点がわずか「1」にとどまっている。フラードがいくら好投しても白星が伸びない理由はそこにある。

直近で登板した4月20日のロッテ・ジャイアンツ戦も不運だった。
前日の試合ではサムスン打線が爆発し、本塁打4本を含む10得点を挙げた。ここ最近不振だったク・ジャウク(32)やキム・ヨンウン(21)、パク・ビョンホ(38)らも快音を響かせた。
ところが、その勢いはフラードの登板試合になると萎む。20日の試合ではフラードが2回に3失点を喫し、3回までで球数もすでに73球に達していた。それでも、6回まで投げ抜いて再びQSを記録したが、勝利には届かなかった。
チームとしても、好調を維持するエースに勝ち星をつけられない状況はもどかしく感じている。
サムスンを率いるパク・ジンマン監督は最近、先発ローテーションに変化を加えるなど工夫したが、今のところ効果はない。フラードが登板する日に限って、嘘のように打線が沈黙してしまうのだ。
パク・ジンマン監督は「ローテーションに変化を加えたこともあるが、それでも打線の援護が得られなかった」と悔しさをにじませつつ、フラードに対する揺るがない信頼を示した。
「(成績を)見ると、勝利を除いてはすべて1位だった。自分のパフォーマンスはしっかり見せてくれている」
今江氏の手腕に期待
現代野球において、先発投手の“勝利”という記録の価値は以前ほど高いわけではない。投手自身のパフォーマンスも重要だが、必ず打線の援護が求められるからだ。
それでも、未だに多くの人が先発投手の成績に勝敗の有無を記入する。そのような面で、フラードのシーズン序盤はひときわ“孤独”に感じられる。
そんなサムスン・ライオンズでは、5月から東北楽天ゴールデンイーグルス前監督の今江敏晃氏が打撃インストラクターを務める。
今江氏は今年2月に沖縄県で行われたサムスンの2次キャンプでスペシャルインストラクターを務めたが、今回、正式に打撃インストラクターとして招聘され、5月から9月まで本格的に活動を行う。

今江氏本人も、4月16日に自身のインスタグラムで打撃インストラクター就任を報告。「一軍だけでなく、将来の主力候補となる二軍の選手とも一緒に汗を流して頑張ります!」と伝えている。