性暴行後に殺害――女子高生の娘を失った父は“極端な選択” 韓国の凄惨な未解決事件、16年越しの真相解明 | RBB TODAY

性暴行後に殺害――女子高生の娘を失った父は“極端な選択” 韓国の凄惨な未解決事件、16年越しの真相解明

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性暴行後に殺害――女子高生の娘を失った父は“極端な選択” 韓国の凄惨な未解決事件、16年越しの真相解明
性暴行後に殺害――女子高生の娘を失った父は“極端な選択” 韓国の凄惨な未解決事件、16年越しの真相解明 全 1 枚
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韓国の人気番組『尻尾に尻尾を噛むあの日の物語』(原題)で、2001年に発生した「ドゥドゥル川女子高校生殺人事件」が取り上げられ、大きな反響を呼んでいる。

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4月24日に韓国で放送された第172回には、ミュージカル俳優のチャ・ジヨン、俳優のキョン・スジン、ボーイズグループMONSTA Xのジュホンがゲストとして出演。なかでもジュホンは、被害者の痛ましい運命に対し、感情を抑えきれず強い怒りをあらわにし、多くの視聴者の共感を呼んだ。

番組は、被害者である高校3年生のミンジさん(当時18歳、仮名)が記した日記の「11月30日」という記述から幕を開ける。

行方不明、そして発見された遺体

2001年2月4日、大学受験を控えていたミンジさんは早朝に行方不明となり、同日午後、自宅から車で約30分離れた全羅南道・羅州(ナジュ)のドゥドゥル川で遺体となって発見された。

遺体はストッキング以外の衣類を着用しておらず、死因は顔面鬱血による溺死。体内から精液が検出されており、性的暴行を受けた形跡もあった。事件は韓国社会に大きな衝撃を与えた。

ミンジさん
(画像=SBS)ミンジさん

警察の調査によれば、ミンジさんは失踪当日の午前1時頃に外出し、午前3時頃には男性2人と一緒にいたとの目撃情報があった。捜査当局は周辺の男性からDNAを採取したが、一致する人物は現れなかった。当時流行していたオンラインチャットを通じて犯人と接触した可能性もあったが、当時の技術では相手の特定は困難だった。

事件は未解決のまま、そして2009年――事件から8年が経ったある日、娘の無念を晴らすことができなかった父親もまた、“極端な選択”でこの世を去った。キョン・スジンは「父親の心情はとても言葉では表せません」と声を詰まらせた。

見つかった“DNAの一致” それでも下された不起訴処分

事件から11年が経過した2012年、ミンジさんの体内から検出されたDNAと一致する人物がついに特定された。その男は、質屋経営者殺害の罪で無期懲役を受けていたキムだった。

キムは当初「ミンジを知らない」と主張していたが、その後「性行為はあった」と供述を変更。しかし殺害については最後まで否定し続けた。検察は、DNAが一致したという事実だけでは殺人の直接的証拠とはならないと判断し、不起訴処分とした。

キョン・スジンは「本当に悔しい」、ジュホンは「言葉が出ないほど虚しい」と語り、チャ・ジヨンは現場の川辺で泣き叫ぶ母親の姿に「胸が引き裂かれそうだった」と涙を流した。

不起訴の判断が下された後も、キムの言動には不可解な点が多くあった。質屋殺人とドゥドゥル川事件には類似点があり、事件当時キムはミンジさんの家からわずか500mの場所に住んでいたことが判明。だが住民登録は別の住所となっていたため、当初の捜査からは外れていた。また、事件から2カ月後には犬を盗んだ罪で拘束され、その直後に自分名義の車を売却していた。

2015年、韓国では殺人罪に対する公訴時効を撤廃する「テワニ法」が成立し、本事件も再捜査の対象となった。捜査を担当したパク・ギョンソプ検事は「たとえ同じ結果になったとしても、できることはすべてやる。被害者の無念を晴らしたい一心だった」と語った。

『尻尾に尻尾を噛むあの日の物語』
(画像=SBS)

再捜査により、キムが当時中学3年の少女と交際しており、その少女も貯水池付近で性的暴行を受けていたことが判明。また、ミンジさんが利用していたチャットサイトで別の女性とも接触していたという証言も得られた。

さらに決定的な証拠となったのは、ミンジさんの日記に「11月30日に生理が始まった」と記されていたことだった。周期から逆算すると、事件当日も生理中だった可能性が高く、初対面の男性と性交に及んだとは考えにくいという見方が強まった。

ついに明かされた真相 少女の誕生日に届いた“正義”

キムとパク検事との間では、長期にわたる心理戦が繰り広げられた。キムは不都合な質問には「覚えていない」と繰り返し、供述書を何度も読み返すなど、虚偽供述の典型的な特徴を見せた。

やがて、キムが面会に訪れた甥に事件当日を詳しく語っていたこと、さらに元受刑者の証言により、キムがアリバイを偽装していたことが判明。また、キムが「生理中の女性に精液が残ればDNAは検出されるのか」と尋ねていたことも明らかになった。

事件解決の鍵を握ったのは、法医学者イ・ジョンビン教授だった。彼は精液が血液と混ざっていなかった点に注目。生理中であれば、動きにより混ざるのが自然で、それがなかったという事実から、殺害時に体液が残されたと結論づけた。

こうして2016年8月15日――ミンジさんの誕生日に、キムは強かん殺人容疑で起訴された。それでもキムは法廷で無罪を主張し続けたが、ジュホンは「本当に図々しい」と怒りをあらわにした。

翌2017年、キムには無期懲役が言い渡され、事件発生から16年を経てついに真相が明らかになった。

ジュホンは「ようやく胸のつかえが下りた」と語り、チャ・ジヨンは「捜査に尽力してくれた方々のおかげで、ミンジさんは誕生日に無念を晴らし、お母さんのもとへ戻れたのでは」と涙を見せた。

放送後、韓国のSNSやコミュニティには「番組を観て怒りで震えた」「未解決事件を時効廃止で解決できたことが救い」「あんな犯人が存在するなんて信じられない」といった声が相次いだ。

なお、『尻尾に尻尾を噛むあの日の物語』は、3人の“語り手”が自ら調査した実話を、それぞれの“聞き手”に1対1で伝えるスタイルのドキュメンタリープログラム。SBSにて毎週木曜22時20分より放送されている。

(記事提供=OSEN)

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