歌手のキム・ホジュン(33)が、飲酒運転によるひき逃げ事件で一審、二審ともに懲役2年6カ月の実刑判決を受けたことに対して不服を示し、最高裁に上告した。
韓国法曹界によると、キム・ホジュンは5月1日、法定代理人を通じてソウル中央地裁に上告状を提出したという。これは4月25日に行われた控訴審の判決から6日後の対応となる。
ソウル中央地裁・刑事控訴5-3部は、特定犯罪加重処罰法違反(危険運転致傷)などの罪で起訴されたキム・ホジュンに対し、一審と同様に懲役2年6カ月の判決を下した。また、ともに起訴された所属事務所代表には懲役2年、マネジメント本部長には懲役1年6カ月がそれぞれ言い渡された。

裁判所は判決理由として、「関係者の供述、飲酒前後の飲食店出入りの映像、運転中のドライブレコーダー映像などを総合的に考慮した結果、被告が当日、かなりの量の酒を飲んでいたと認められる」とし、「飲酒によって判断力と認知力が著しく低下した状態で事故を起こした」と指摘した。
キム・ホジュンは昨年5月9日、ソウル・江南区・狎鴎亭洞(カンナムグ・アックジョンドン)にて、酒に酔った状態で運転し、反対車線に停車中だったタクシーに衝突後、そのまま逃走した疑いがもたれている。事故直後にはマネージャーが“身代わりとして”自首し、キム・ホジュン本人は事故から約17時間後に警察に出頭。自ら運転していたことを認めた。
この一件で彼は、特定犯罪加重処罰法上の危険運転致傷・逃走致傷、道路交通法上の事故後未措置、犯人蔵匿教唆の罪で拘束起訴された。
ただし、検察はキム・ホジュンが事故直後に出頭せず、追加でアルコールを摂取し、運転当時の血中アルコール濃度をごまかそうとした点を踏まえ、飲酒運転の容疑については起訴段階で除外している。警察の調べでは、キム・ホジュンは事故前、江南区新沙洞の飲食店で知人らと酒を伴う食事をしていたことが確認されている。
なお、キム・ホジュンは昨年11月13日に行われた一審でも懲役2年6カ月の判決を受け、本人と検察の双方が控訴したものの、二審でも判決は維持された。今回の上告により、本件は大法院で最終判断が下される見通しだ。
◇キム・ホジュン プロフィール
1991年10月2日生まれ。韓国・蔚山出身。身長173cm。2013年3月にデジタルシングル『私の人よ』(原題)でデビュー。2020年のオーディション番組『明日はミスター・トロット』に出演して4位(優勝者はイム・ヨンウン)となり、人気を獲得。その後、『リクエスト曲を歌います、愛のコールセンター』などでも抜群の歌唱力を証明した。2024年5月9日深夜、ソウル市内で対向車線のタクシーに衝突して逃走するひき逃げ事故を起こし、同月24日に拘束された。