24歳という若さでこの世を去った女優キム・セロンさんの遺作、映画『ギターマン』(原題)がついに韓国で公開される。
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『ギターマン』は5月21日、マスコミ・配給向け試写会および観客とのトークイベントを通じて初披露される。
『ギターマン』は、過酷な現実の中でも音楽と人との出会いを通して希望を見出そうとする天才ギタリストの喪失と愛、そして旅路を描いた音楽映画だ。

主人公の“キチョル”(演者イ・ソンジョン)は、金がなく放浪生活を送る天才ギタリスト。知人の紹介でライブクラブバンド「ボルケーノ」のギタリストとなったキチョルは、キーボードの“ユジン”(演者キム・セロンさん)をはじめとする「ボルケーノ」のメンバーたちと共に生活をしながら、希望を見出していく。
なかでも、“ユジン”を演じたキム・セロンさんの悲しい現実と重なる作品として、大衆の注目を集めている。現在、クラウドファンディングサイト「Tumblbug」では、映画『ギターマン』の特別試写会を目指した資金調達が進行中だ。
キチョルは、急速に変化する社会に適応できず取り残された“脱落者”。世の中に対して壁を築いてしまった彼は、冷笑的で無関心な態度で周囲を遠ざけている。一方、ユジンやバンドの仲間たちは、そんな彼に真心で接し、優しさと情熱によって閉ざされた心を少しずつ溶かしていく。
しかし、幸せな結末に向かうかと思われた物語は、キチョルの過去の過ちによって再び冷たい現実に引き戻される。彼を追う過去とは何か――、そしてキチョルとユジン、バンドの仲間たちの関係はどうなるのか。物語は最後まで緊張感を維持しながら、観る者の関心を惹きつける。
4月28日に先行公開された『ギターマン』の劇中歌『痛みのない世界(The world without pain)』は、キチョルを演じた俳優であり、共同監督も務めたイ・ソンジョンが作詞・作曲・ボーカルまで手がけ、より一層の真実味を加えている。“生きるのは簡単じゃない”“痛みのない世界で幸せになってほしい”といった温かいメッセージを込め、困難な今を生きるすべての人に小さな希望と癒しを届ける楽曲となっている。

同曲のミュージックビデオには、映画のシーンの一部が挿入されており、そこに登場するキム・セロンさんの姿も話題を呼んでいる。キム・セロンさんが演じたユジンが、主人公を優しく慰めるシーンと、彼女自身が抱えていた心の痛みが重なり、多くの視聴者が「セロンさん、あの世ではどうか幸せでいてください」「またこの姿が見られて嬉しいけど切ない」といった反応を呼んでいる。
映画『ギターマン』の撮影を共にし、キム・セロンさんと親交のあったイ・ソンジョン監督は、「現場で彼女は明るく、情熱にあふれていた。素敵な形で復帰してほしかったが、今は“痛みのない世界で幸せに”と、劇中歌のタイトルのように願うしかない」と語った。また、「劇中歌の収益はすべて、韓国生命尊重希望センターに寄付する」と明かした。
なお、映画『ギターマン』は5月30日に韓国で劇場公開される予定だ。
(記事提供=OSEN)
◇キム・セロンさん プロフィール
2000年7月31日生まれ。9歳から子役として活動を始め、スクリーンデビューとなった2009年公開の主演映画『冬の小鳥』では孤児院に捨てられた少女を熱演。カンヌ国際映画祭に韓国の役者史上最年少で招待された。2010年の『アジョシ』ではウォンビンと共演し、大韓民国映画大賞新人女優賞を最年少で受賞。2019年に韓国で放送されたドラマ『レバレッジ:詐欺操作団』では、凄腕の女泥棒役を見事に演じて魅力的な姿を披露した。2022年5月18日に免許取り消しレベルの泥酔状態で運転して事故を起こし、活動を自粛。2025年2月16日、24歳でこの世を去った。
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