ボーイズグループENHYPENが「コンセプトシネマ」という新たなジャンルを切り拓いた。
音楽と映画が融合した“融合芸術”を描き出している。
ENHYPEN(ジョンウォン、ヒスン、ジェイ、ジェイク、ソンフン、ソヌ、ニキ)は、これまで各アルバムに自分たちだけの物語を織り込んだ緻密なストーリーテリングで、独自のコンセプトを築き上げてきた。
彼らはカムバックのたびにアルバムの主要メッセージを脚色し、コンセプトシネマやコンセプトトレーラーとして制作することで、アルバムを楽しむ新たな方法を提示している。
短編映画のような仕上がり
5月12日に公開された6thミニアルバム『DESIRE : UNLEASH』のコンセプトシネマも、一本の短編映画のような仕上がりだ。

約9分のこの作品は、「欲望(Desire)」をキーワードにヴァンパイアとのトークショー形式で展開される。欲望に関わる様々な人間像や、内面と外見を対比させたメンバーたちの一人二役の演技が光る。ヴァンパイアにしか見えない“怪物”という装置が、欲望を抑え込んでいた内面を激しく揺さぶるメタファーとして作用するなど、緻密な演出にも高い評価が寄せられた。
さらに、短編映画『MERLIN』で数々の映画祭を席巻したパク・ミンス監督ならではの静謐かつシネマティックな映像美が、作品の完成度を高めている。
ENHYPENがコンセプトシネマのプレミアイベントで、「1分1秒、すべてのシーンに意味があるので、しっかり注目して観てほしい」と自信を覗かせたのも納得の完成度だ。
そんなENHYPENがコンセプトトレーラーに本格的に芸術性を取り入れ始めたのは2023年からだ。
彼らは、感度の高い演出で知られ、韓国を代表するCM監督としても知られるユ・グァングェンとタッグを組み、4thミニアルバム『DARK BLOOD』と5thミニアルバム『ORANGE BLOOD』のコンセプトトレーラーを連作で発表した。
4thミニアルバムでは低彩度の映像をベースに、アクションシーンでは鮮烈な赤を用いた対比で強い印象を残し、5thミニアルバムでは新たな人生を体験するENHYPENの姿を、明るくきらめく青春映画のように描き、没入感を高めた。
さらに2024年に発表した2ndフルアルバム『ROMANCE : UNTOLD』では、スケールを拡大し、短編映画の形式で展開。ノワールジャンルに特化したイ・チュンヒョン監督と、ダークファンタジーの物語を築き上げてきたENHYPENが手を組み、強い化学反応を生み出した。
従来のK-POPコンテンツの枠を超える長尺の構成や、ブロックバスター級の激しい銃撃アクションなどが話題を呼んだ。

このようにENHYPENは、完成度の高いコンセプトシネマを通じて、ENGENE(ENHYPENファン)だけでなく、世界中のK-POPファンをも魅了し、カムバックへの期待を高めている。
6月5日に公開される6thミニアルバム『DESIRE : UNLEASH』は、愛する相手に抱く欲望をENHYPEN独自の感性で表現した作品だ。コンセプトシネマをヒントに、ENHYPEN流の“欲望”がどのような音楽で生まれ変わるのか、ファンの間で様々な予想が飛び交っている。
◇ENHYPENとは?
JUNGWON、HEESEUNG、JAY、JAKE、SUNGHOON、SUNOO、NI-KIの7人で構成されたグローバルグループ。2020年6月から約3カ月間放映されたMnetの大型プロジェクト『I-LAND』から誕生し、2020年11月に韓国デビュー。2021年7月にリリースされた日本デビューシングル『BORDER:儚い』は、オリコン週間シングルランキング初登場1位に輝いたほか、7月度の「ゴールドディスク認定作品」でプラチナ認定を受けた。さらに、2022年10月に発売した日本1stアルバム『定め』は、週間アルバムランキングで2週連続1位を獲得し、5作品連続通算5作目の1位を獲得した。2022年9月スタートの初ワールドツアーの一環として、日本デビューからわずか1年半で初の京セラドーム公演を開催。第4世代K-POPアーティストとしては最速で単独ドーム公演を行うなど、躍進を続けている。