急逝したベテラン韓国俳優の波乱万丈な人生に注目が集まっている。
俳優チェ・ジョンウさんが5月27日、68歳でこの世を去った。死因は明らかにされていない。
1957年生まれのチェ・ジョンウさんは、1975年の演劇『ある俳優の生涯』でデビュー。その後、劇団シンシでの活動を経て、1990年代に制作・主演を務めた舞台『火を消してくれ』が観客動員30万人超を記録する大ヒット作となった。
この成功により、チェ・ジョンウさんは“大学路(テハンノ、韓国の演劇の街)の皇帝”と称されるようになった。
役者以外の活動も

以降はアメリカ・ロサンゼルスでの屋台経営や映画監督にも挑戦。50代に入ってからは映像作品へと活動の場を広げ、多くのドラマや映画でバイプレーヤーとして活躍した。
特に、シーズン4まで制作されたヒットドラマ『神のクイズ』では若い世代からも支持を集め、『怪しい彼女』『オク氏夫人伝 -偽りの身分 真実の人生-』などでは重厚感のある悪役を好演し、強い存在感を示した。
ほかにも、映画『ツー・コップス』『インディアン・サマー』『公共の敵2 あらたなる闘い』『親切なクムジャさん』『義兄弟 SECRET REUNION』『ランサム 非公式作戦』『ザ・ムーン』、ドラマ『恋愛時代』『最強チル』『風の絵師』『華麗なる遺産』『根の深い木 -世宗大王の誓い-』『愛だと言って』など、多数の作品に出演。財閥会長や検察・警察幹部、国家情報院の要員など、重厚な役を任されることが多かった。
3度の婚姻歴、意外な私生活

2023年には、MBNのバラエティ番組『気分爽快ショー・トンチミ』に出演し、軽妙なトークを披露。俳優としてだけでなく、飾らない素顔でも注目を集めた。
同番組では、3度の婚姻歴があることについて初めて告白。最初の結婚は30代で、「正直、結婚したくなかった」と語りつつ、当時の妻が一方的に婚姻届を提出していたことが判明。後に離婚し、「自分は自由な魂だと気づいた」と回顧した。
その後、舞台の成功で俳優を一時引退するほど稼ぎ、再びドラマに出演する中で出会った女性と交際3年目に婚姻届を提出。しかし、病気や経済的困難に見舞われ、アメリカ在住の妻と離婚。全財産を譲渡し、再び独身に戻ったという。

最終的には11歳年下の在日韓国人女性と再婚。相手は初婚だったといい、「最強の妻に出会った」と番組で語っていた。
死因について、所属事務所は「詳細は公表できない」としていたが、生前はパニック障害やうつに悩んでいたとも伝えられている。
波乱万丈の人生を駆け抜けたチェ・ジョンウさん。その輝きは、今後も数々の作品を通じて語り継がれていくだろう。
(記事提供=OSEN)