横浜F・マリノス加入説も報じられた光州(クァンジュ)FCのアルバニア代表FWヤシル・アサニ。移籍か残留か、未だ決まらない去就問題にはイ・ジョンヒョ監督も頭を悩ませているようだ。
光州は7月2日、ホームの光州ワールドカップ競技場で行われた蔚山(ウルサン)HD FCとのコリアカップ準々決勝を1-0で制し、2年連続の準決勝進出に成功した。この試合後、イ・ジョンヒョ監督は「アサニと対話がしたい」と率直な胸の内を明かした。
「今日の試合を見て感じた。アサニと話してみたい。(光州が)補強が難しい状況だ。だからこそ、今いる選手を守らなければならない。できる限り(アサニを)手放したくない」
同日の試合でアサニは先発フル出場し、鋭い動きでチームの攻撃をけん引した。ゴールやアシストといった記録こそなかったが、最大の武器とも言えるカットインで蔚山のDFラインを何度も揺さぶった。試合に出場した光州の攻撃陣で、ひときわ輝きを放っていたのは間違いなくアサニだった。

指揮官がアサニとの対話を望むのは、彼がコリアカップ優勝のために欠かすことのできない“ピース”だからだ。
ベスト4進出でクラブ初のコリアカップ優勝も視野に入った光州は、準決勝でKリーグ2(2部)の富川(プチョン)FC 1995と対戦する。決して油断できる相手ではないが、反対の山にいる全北現代(チョンブク・ヒョンデ)モータースや江原(カンウォン)FCと比べれば、やや“山場”の重みは軽い。「これほどまでに(優勝への)欲を出したことはない。昨年は準決勝で敗退したが、今年は決勝まで行きたい」とは指揮官の言葉だ。
アサニ「未来に何が起こるかは誰にもわからない」
そんななか、アサニの移籍問題が最大の懸念材料となっている。
光州の攻撃の核を担うアサニが移籍するとなれば、チームとしては大きな戦力ダウンは避けられない。もちろん、少なくない金額の移籍金を得ることはできるが、優勝を狙う指揮官の立場からすれば好ましい話ではない。
アサニは最近、横浜F・マリノスと移籍交渉を行っていた。クラブ間ではすでに移籍金まで合意していたが、アサニ本人との条件交渉がまとまらず、最終的に失敗に終わったという。
現在、他のクラブから正式なオファーは届いておらず、アサニがシーズン後半も光州に残留する可能性は高まっている。だが、移籍市場はまだ開かれているだけに、魅力的な提案が届けばアサニが移籍を希望する展開も十分にあり得る。

是が非でも残留を望むイ・ジョンヒョ監督の“ラブコール”に対し、アサニ本人は「監督がそう言ってくれたことに感謝している」とコメント。そのうえで「ただ、未来に何が起こるかは誰にもわからない。自分は今、光州にいるので、現在だけに集中したい」と慎重な姿勢を示すにとどめた。
アサニの気持ちを何としても引き止めようと、指揮官は本来の予定よりも長い期間の休暇を与えるなどの“特別待遇”も施したようだ。アサニも「監督が今日の試合で良い結果を残すことができれば、選手団の休暇よりも個人的に数日多く休ませると言ってくれた。おかげで良い結果を生み出すことができ、家族との時間をもっと長く過ごせるようになった。(イ・ジョンヒョ監督に)感謝の気持ちを伝えたよ」と伝えた。
E-1選手権によるリーグ中断期間に突入している光州FCは、来る7月18日に再開初戦となる水原(スウォン)FCとのKリーグ1第22節を迎える。
Kリーグの夏の移籍市場は7月24日まで。はたしてアサニはシーズン後半戦も光州のユニホームを着てピッチに立っているだろうか。
(構成=ピッチコミュニケーションズ)
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