7月5日、フランス・パリのJAPAN EXPO YUZUステージにて、エヴァンゲリオンシリーズ30周年を記念したスペシャルステージが開催された。1995年の新世紀エヴァンゲリオンテレビシリーズ放送開始から30周年を迎える2025年を記念したイベントに、新世紀エヴァンゲリオン主題歌のアーティストである高橋洋子、新劇場版シリーズ完結作シン・エヴァンゲリオン劇場版の鶴巻和哉監督、前田真宏監督、そして作品を通じて脚本協力を務めた榎戸洋司が登壇した。会場には約2000人の来場者が集まった。


イベントの冒頭はMCの呼び込みにより高橋洋子がステージに登場し「Yoko Takahashi Japan Expo スペシャルステージ」が開幕。フランスでは初披露となる「what if?」で、その圧倒的な歌唱力を披露すると会場から大歓声が上がる。畳み掛けるように代表曲「魂のルフラン」が始まると、会場からは立ち上がって声援を送るファンが続出。そして30年前この曲から始まったと言っても過言ではない新世紀エヴァンゲリオン主題歌「残酷な天使のテーゼ」が流れた瞬間、会場中から大きな歓声と拍手が巻き起こった。
続いてのクリエイタートークは、シン・エヴァンゲリオン劇場版の鶴巻和哉監督、前田真宏監督、そして作品を通して脚本協力を務めた榎戸洋司が登壇した。シリーズを通じて作品に関わった彼らにとってエヴァンゲリオンがどのような存在だったのか、当時の制作話や、シリーズを通じての挑戦など、貴重なトークを披露。


1995年10月より放送開始された新世紀エヴァンゲリオンで副監督を務めた鶴巻和哉は、直前に行われた高橋洋子のパフォーマンスについて語った。新世紀エヴァンゲリオン劇場版 シト新生制作時、REBIRTH編の監督であった鶴巻は、主題歌候補であった高橋洋子の2曲の中から「魂のルフラン」を庵野監督へ推薦したエピソードを披露。「とても好きな曲なので、高橋さんの生の声で聞けて嬉しい」と語った。

前田真宏監督も、庵野秀明監督より誘われたことをきっかけにエヴァンゲリオンシリーズに参加した経緯を披露した。シン・エヴァンゲリオン劇場版本編終盤での碇ゲンドウのシーンに、自分なりの解釈・想いをかけて庵野秀明総監督と共にクリエイトしたエピソードを披露。そして榎戸は新世紀エヴァンゲリオン30年前の制作時に、まず最初に第弐話の脚本を担当した経緯や、ヱヴァンゲリヲン新劇場版本編制作のため合宿を行った思い出話を語った。

トークセッションの締めくくりには、鶴巻和哉監督から、フランス、そして世界中のファンへ「これからもエヴァンゲリオンシリーズを愛してくれると嬉しいです」と語ると、会場中が大きな拍手に包まれた。そして…イベントの最後には、シン・エヴァンゲリオン劇場版の上映がスタート。冒頭のパリでのシーンで観客たちは、大きな盛り上がりを見せた。