【データウェアハウス&CRM EXPO】ブランドダイアログ、無償のSaaS型グループウェアを強力にアピール
エンタープライズ
その他
注目記事
-
【デスクツアー】真似したい自宅デスク環境一挙公開!
-
ブランドダイアログ、無料のSaaS型クラウド・グループウェア「GRIDY」モバイル版を正式リリース
-
トラステッドクラウドにプロダクトとサービスを融合——富士通の包括的戦略

GRIDYは、スケジューラやファイル共有、Webメールなど23もの機能を実装したSaaS型Webアプリケーションによるグループウェアで、ユーザーには無償で提供される。インターネット上で無償提供されるサービスはさまざまなものがあるが、企業が業務に利用できるようなものはあまり多くはない上に、多くは広告モデルによる運営となっている。ユーザー企業にメッセージを届けたい広告クライアントから対価を得て、ユーザーには無償でサービスを提供するという形だ。この結果、ユーザーのディスプレイにはバナー広告などがさまざま表示され、煩わしい思いをさせられることも珍しくはない。
GRIDYは、初期導入コストも月額コストも完全に無料で、ユーザー数にも制限はなく、SaaS型なのでメンテナンスの負担もない。さらに、広告モデルではないのでユーザーが強制的に広告を見せられることもない。その代わりにユーザーが“対価”として提供するのは、GRIDYを利用しているPCの余剰のCPU/HDDのリソースだ。
同社は独自開発の“Promotional GRID”を構築し、このグリッドにGRIDY利用ユーザーのPCを組み込む、という形になる。そのため、GRIDYを実行するPCには30MB程度のフットプリントのクライアント・モジュールをインストールして実行する必要があるが、負荷はごく軽いものだという。ユーザーのPCからは、負荷の軽いタイミングを見計らい、標準で3%の余剰リソースをグリッドの演算リソースとして提供することになる。同社はPromotional GRIDの演算能力を必要とする企業や研究機関などに有償提供することでSaaS型グループウェアの無償サービスを運営することが可能になる、という形だ。もっとも、実態としてはまずグリッドの実現が先にあり、グリッドに参加するPCを集めるためのアプリケーションとして適切なものを検討した結果、グループウェアの提供を決めた、という流れになる。同社は「グリッドの会社であって、グループウェアの会社ではない」ということだ。
現在は、GoogleやAmazon.comといった米国のIT企業を中心にクラウド・コンピューティング実現に向けた取り組みが急展開しつつある状況だが、いずれも自社専用のデータセンターとサーバ群を抱えている。いわば、自社保有の演算リソースをクラウドとして提供するというモデルだ。一方、ブランドダイアログのPromotional GRIDは、グリッドの演算リソースはGRIDYユーザーから無償提供を受けるため、演算リソース確保のためのコストを大幅に安価に抑えられる。ユーザーの手元に既に存在する膨大な量の演算リソースを有効活用してグリッドにまとめることで新たな価値を生み出そうという試みであり、こうした動きが日本国内から生まれてきたということからも今後の展開に期待したい取り組みだといえるだろう。
一方、GRIDYユーザーにとっては、国内開発の、国内のユーザーの状況を踏まえてデザインされたグループウェアを無償で利用できるため、こうした背景抜きでもメリットがあるといえる。グリッドにリソースを提供するためのクライアント・モジュールは仮想マシンとして動作するため、ホストとなるWindows側とは通信は行なわれない。ローカルのPCに保存していたファイルがいつの間にか流出した、といったトラブルは起こり得ないような設計となっているので、安心して利用できる。GRIDYではモバイルクライアントとしてiPhoneなども利用できるようになっており、グループウェア単体としてみても、無償という点を抜きにしても魅力的なサービスだといえるだろう。
実際、会場での注目度は高く、ブース内は常に人だかりで混み合っているような状況だった。ユーザー企業の視点からは、社内に死蔵されているPCの余剰演算能力をグループウェアの利用コストと引き替えることでIT予算の削減も実現できるわけで、双方にメリットの大きなモデルだと評価できる。
《渡邉利和》
特集
この記事の写真
/
関連リンク
関連ニュース
-
ブランドダイアログ、無料のSaaS型クラウド・グループウェア「GRIDY」モバイル版を正式リリース
エンタープライズ -
トラステッドクラウドにプロダクトとサービスを融合——富士通の包括的戦略
エンタープライズ -
SBテレコム、iPhone 3Gにも対応した新サービス「セキュアリモートゲートウェイ」提供開始
エンタープライズ -
NTTレゾナント、SaaS型グループウェア「ビジネスgoo」の機能を拡張
エンタープライズ -
富士通とシスコ、ユニファイド コミュニケーション領域で戦略提携を拡大
エンタープライズ -
SaaS型グループウェア「F-DOC2.0.3」、Safari・Chrome・IE 8に正式対応
エンタープライズ -
ウイングアーク、経産省が推進する“J-SaaS”上で動く「Dr.Sum EA(集計SaaS)」を発表
エンタープライズ -
KDDI、「Business Port Support Program」に新パートナー6社を追加 〜 SaaS型サービスを夏以降提供
エンタープライズ -
【インタビュー】SaaSビジネスの実行基盤は最終段階へ——富士通
エンタープライズ -
企業向けオンラインサービス「Microsoft Online Services」、日本語ベータが提供開始に
エンタープライズ -
ソフトバンクIDC、「desknet's」最新版Ver.7.0をSaaS型で提供開始 〜 iPhone画面に対応
エンタープライズ -
【インタビュー】Boldの発売で本格普及期に!? NTTドコモのBlackBerry販売戦略
エンタープライズ -
【インタビュー】SaaS型BI市場にいち早く注目!——ウイングアーク テクノロジーズ代表取締役社長 内野弘幸氏
エンタープライズ -
ネオジャパン、SaaSサービス「Applitus」にECOをテーマとした新アプリ3種を追加
エンタープライズ -
SFAとグループウェアを連動させたSaaS型営業戦略支援ソリューション
エンタープライズ