【人とくるまのテクノロジー12】車内ITを一気に進めるEthernet AVB
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ルネサスエレクトロニクス 自動車システム統括部 自動車情報システム技術部 木内真吾氏によれば、「Ethernet AVBの帯域予約の機能を使えば、動画パケットを優先させるなどのQoSが可能です。これによって、車内の情報システムやエンターテインメントシステムをLAN上に展開できるようになります」とのことだ。
LAN構成が可能になるので、たとえば車載カメラが何台あってもL2スイッチがあれば複雑な配線なしに、映像データも含めて任意の制御が可能となる。情報機器の増設などもハブに機器をつなぐイメージで可能だ。なにより、Ethernetという開発リソースが膨大でエンジニアも豊富である技術を利用することで、製品開発コストも減らせる。
自動車には、エンジン、駆動系、ブレーキ、各種スイッチやセンサーなどの制御をまとめるため、光ファイバーのバックボーンネットワークを導入したりすることもある。QoSが可能ならこれらのネットワークもEthernet AVBにまとめることはできないだろうか。木内氏に聞いてみたところ、
「原理的には可能ですし、そのような取り組みもIEEEでは行われています。ただし、エンジンなどの制御となるとリアルタイムのための遅延保障の問題があります。現在、7ホップあたり2mS以下ですが、これを改善させる取り組みもあります」
確かに制御系パケットとの同居は難しいかもしれないが、カーナビやITS対応機器などの標準インターフェイスとしてEthernet AVBの可能性ありそうだ。同社では、2015年にはプロトコルスタックを含めたIPチップをカーナビ用デバイスに組み込んで市場投入する予定だ。コンソールにEthernetのソケットが装備される日は近いかもしれない。
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