【ERPの最新動向 Vol.2】バージョンアップでさらに使いやすく! ユーザー目線で全方位サポートを実現する「SMILE」シリーズ (前編)
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SMILEシリーズの歴史は古く、初代SMILEの発売は1979年のことで、30年以上もの実績がある。オフィスコンピュータの時代からクライアント・サーバの時代を経て、クライアント・サーバ型とWebアプリケーション型のメリットを享受できるように、さまざまな機能強化と製品拡充を図りながら進化を続けてきた基幹業務システムだ。長年に亘り積み上げられてきたノウハウをベースに、フルパッケージの中からベストプラクティスとなる機能をチョイスすることで、自社に最適なシステムを構築できる点が評価されている。数字の面でも、特に年商50億円以下、あるいは100億円以下の中小・中堅企業での実績が高く、ここ数年に亘りシェアNo.1を連続で獲得している(矢野経済研究所、富士キメラ総研、ミック経済研究所など)。
その柱となっているSMILE BSは、販売・会計・人事給与を中心に、CTIやCRMまでサポートしており、販売・会計・人事給与は「ベースモデル」と「スタンダードモデル」の2モデルを選択できる。SMILE BSの強みは運用面でユーザーに優しい環境を提供している点で、パッケージ導入でありがちな自由度の利かない設計ではなく、カスタマイズを最小限にとどめ、無用なコストの増大を避けられる。ユーザーにとって、入力や帳票の設計は、各社特有の業務などそれぞれ細かい部分を合わせていかなければならず負担が大きいが、この点においてSMILE BSでは「入出力画面生成システム」という特許をもっており、ユーザー好みに入力項目を簡単に設定できる仕組みを取り入れている。
「SMILE」シリーズを販売する大塚商会の石井ふみ子氏は「お客様によっては、納品書にどうしても特殊な文言を入れたいといったことがあります。これまではデータベースに文言を入れる場所を拡張し、あらためて納品書を設計し直して、印字する部分をカスタマイズするという手法でした。しかしSMILE BSからは、管理項目の追加機能がパッケージに盛り込まれています。ここには入力項目のみならず、帳票系のレイアウトを任意に設計する機能なども含まれています」と語る。
このような項目追加の機能に関して、項目を増やせても最終的に入力画面に直接手を加えなければならず、使い勝手が良いとは言えない製品が多い。SMILE BSでは、こういった問題を解決するための汎用性を高めている。商品の「内訳1」「内訳2」というように汎用的な項目を用意し、それをどのように使うかはユーザー側に一任しているのだ。ただし、販売系は業種色が出るため、業務特有の業務フローを賄うためのアレンジ版のテンプレートも用意している。具体的には「Fu-jin」(見込み生産用)や「Raijin」(受注生産用)といった製造関連から、出版、アパレル、食品、鋼材、建設、医療機器、ビルメンテ、運輸、通販まで多岐にわたるテンプレートを利用できる。
さらにもう1つ見逃せない機能がある。前述のような画面の項目追加のほか、業務システムを連携させ、フローを見直したり、テーブルをまたぐ集計・分析が行えたりといった追加の処理を支援する仕組みが用意されているのだ。石井氏は「業務フローを修正したり、デフォルトのテーブル以外のものを追加して別システムをつくりたい場合に“CAB”(Custom AP Builder)というツールがあります。CABは、中堅・中小企業だけでなく、情報システム部門が整備されている大企業に特に重宝され、高い評価を得ています」と説明する。
同社では、ユーザー側に親和性の高い道具立てを準備しておくことで、カスタマイズのボリュームを減らせるようにしている。自身でカスタマイズしても、バージョンアップに対応するため、あらためて改修する必要がないので便利だ。CABの提供は、同社にとって大きなチャレンジだったという。自社のカスタマイズ受注が減ってしまう懸念があったからだ。しかし逆にユーザーと役割分担し、込み入った処理は同社が受ける方向にシフトした。つくり込みのコスト感を解消し、より大きな部分の強化での投資を早められるからだ。
「情報システム部門がない中小企業では、従来どおり我々のコンサルティングが入っています。“この部分なら、お客様でCABを使って作れますよ。あるいは、この部分なら投資しても無駄にならないので、弊社で請け負いますよ”と問題を切り分けてアドバイスしています。よりシステムに深堀りした形でコンサルティングができるようになり、お客様との距離感も以前より縮まりました」(石井氏)。このようなアプローチは、まさにSMILEならではのもので、決して他社に真似できないところだ。ユーザーにも同社にもWin-Winの関係をもたらすソリューションといえるだろう。
《井上猛雄》
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