iPhone 5の通信スピード、全国的にauが優勢……MMD研究所
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調査は、全国主要都市(9都市・39地域)にて実施。au版、SoftBank版それぞれのiPhone 5に関して、「RBB TODAY SPEED TEST」アプリを用いてのスピード測定(11:00~19:00の時間帯に同条件下で各3回計測し、平均値を記録)のほか、SafariブックマークよりYahoo!Japanをタップして、ページが完全に表示されるまでの時間をストップウォッチで計測し、Web表示速度の測定も行った。
■ iPhone 5のスピードテスト、全国的にau版が優勢
調査結果の詳細は表にまとめられているが、スピードテストでは総合的に見るとau版iPhone 5がダウンロード平均13.44Mbpsに対して、SoftBank版iPhone 5が平均9.56Mbpsとau版優勢の結果に。勝敗の決め手となったのはLTEの捕捉状況と通信の安定度で、全調査スポット39ヵ所の内、au版iPhone 5が36ヵ所でLTEが入ったのに対し、SoftBank版iPhone 5は25ヵ所となった。LTEが入る調査スポットに限定した場合、au版iPhone 5は平均ダウンロード14.16Mbpsで、各調査スポットで通信が安定しており、SoftBank版iPhone 5は、平均ダウンロード12.11Mbpsとなり、数値を伸ばしたが、調査スポットごとで通信速度に差が出ていたという。
今回の調査スポットでは、au版iPhone 5のLTE捕捉状況が高く、通信が安定しており、特に地下街や地下鉄では、顕著に速度差が出る結果が出たとのこと。
次に、Yahoo!JapanのWEB表示速度については、au版iPhone 5が平均2.62秒、SoftBank版iPhone 5が平均4.21秒を記録し、全国的にau版の表示速度が速い結果となった。これをスピードテスト同様に、LTE捕捉箇所に限定してみると、au版iPhone 5が2.47秒、SoftBank版iPhone 5が2.81秒と、こちらもau版iPhone 5が早いものの、大きな差は出ていない。
■ネットワークの地道な整備が実を結んでいる
調査結果について、KDDI広報部に電話取材をして話を聞いた。全体的にau版iPhone 5優位の結果が出たことに関しては、「ただ基地局数を追いかけるのではなく、それぞれの基地局がカバーする範囲を考えて最適な場所に設置する、場所に応じてしっかりチューニングするなど、品質重視でつながりやすいことを考えてネットワークを構築してきた結果だと思います」とのこと。iPhone 5の登場で注目が高まっている各キャリアの“つながりやすさ”だが、KDDIでは3Gで地道に蓄積してきたノウハウをいかして、LTE基地局に関しても最適なチューニング、配置を行っているという。また、建物の障壁などの影響でどうしても電波が届きにくいところには、スポットで小型基地局を展開しており、その効果も出ているとした。
今後LTE対応のAndroid端末も発表されるはずだが、そうなった場合でもテザリングによる負荷は問題ないのか聞いてみると、「iPhone 5で使用している2.1GHz帯以外に、元々整備してきた800MHz帯、1.5GHz帯もあり、LTE対応のAndroid端末が出てきても問題ないと考えています」と、自信をみせた。また、新たに5GHz帯のWi-Fi通信をサポートしたこともオフロード対策として大きいとした。「iPhone 5では、5GHz帯のWi-Fiを自動で掴むので、特に設定も必要なく、快適に使っていただける」とのことだ。
調査では触れられていないが、ネットワークからのアプローチによるバッテリー負担の軽減についても聞いた。LTE通信の利用では、3GとLTEの切り替えの際、通常、一定の時間ごとにLTE回線を検出しようとするためバッテリーに負担がかかってしまう。KDDIでは、基地局のチューニングによってこの問題を解決したそうだ。3Gエリアにおいて、端末は3G回線だけを追いかける。LTE回線と重なった場合のみ、基地局側から端末に通知を行うことで、端末は必要な時(LTEに繋がる時)だけサーチをかけることができ、無駄な電力を消費しないという。さらに、実際の通信時以外は無駄な電波を発しないという工夫もなされているとのこと。これは、800MHz、1.5GHzの基地局でも同様にチューニングをしており、Android端末でもこのメリットは享受できる。そろそろ各キャリア冬モデルの発表が始まる次期だが、どんなラインナップが揃うのか、LTEネットワークに問題は起きないのか、注目したい。
《白石 雄太》
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