【インタビュー】Felicaの成功をアジア、そして世界へ……ドコモのグローバルNFC戦略
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日本においては、Felica(フェリカ)をベースとしたおサイフケータイのサービスが普及しており、コンビニでの買い物や電車・バスなどの交通機関で一般的に利用されている。海外でもNFCが注目され、ようやく世界も日本のレベルに達したという見方もあるが、フェリカとNFCで互換性の確保は十分なのか、といった懸念がないわけでもない。
広義のNFCは、Felicaや、現在スマートフォンなどで搭載が進むNFC Type A、Type Bと呼ばれる規格、さらにはWi-Fi、Bluetoothなども含む、小電力無線による非接触型近距離通信の総称である。Felicaも、Type A/Bと呼ばれる通信方式も、どちらもISO/IEC 21481(NFC IP-2)という国際標準に準拠しており、互換性は確保されている。しかし、国際標準といってもアプリケーションから物理層まで厳密に統一しているわけではない。国や端末メーカーごとの微妙な違いや、アプリケーションごとの要求仕様の違いは存在する。
■ドコモのグローバルでのNFC戦略は?
今回は、NTTドコモにおけるNFCの国際ローミング戦略について、同社のフロンティアサービス部 NFC推進担当課長 海和政宏氏、同NFC推進担当 モリ キヨシ氏に話を聞いた。
先のMWCでは、ドコモ、韓国のKT、中国のCMCC(チャイナモバイル)の3社が、NFCローミングを実現するためのサービスや端末に関する諸条件について共通仕様を策定したと発表。日中韓3ヵ国で利用可能なNFCプラットフォームを構築するビジョンが示された。その狙いについて、海和氏は、「NFCに限らず、先進的なモバイルサービスは日本・韓国そして中国などアジアが進んでいます。モバイル分野で先端をいっている国・地域から、NFCのプラットフォームを作り上げることで、世界展開が開けていくと思っています」と話す。
日本市場では現在Felicaが先行しており、端末の対応もFelicaが圧倒的である。海和氏も、「一年か二年はFelicaが優勢だと思っていますが、その先はまだわかりません。既存のFelicaを有効に使いながら、経済合理性を考えて、入れられるところにはNFCを入れていきたいと考えています」としている。対して韓国・中国はNFC Type A/BをSIMに搭載する方式で進んでいる。相互乗り入れは簡単ではないような気もする。この問題については、FelicaとNFC Type A/Bの共通仕様部分を3ヵ国のキャリアで策定することで対応する予定だ。幸い、RFモジュールは共有できるので、端末側の問題は少ないとのこと。また、国内でFelicaが優勢と言えども、グローバルでみるとモバイルNFCの市場が立ち上がっているのは日本と韓国ぐらいのもの。「今の日本がNFCに移行していくことによるグローバルへの貢献度はまだまだ大きく、日本の要件は無視できないはずです」(モリ氏)とのこと。
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