【インタビュー】Felicaの成功をアジア、そして世界へ……ドコモのグローバルNFC戦略
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■端末や下位レイヤの違いを意識させないことが重要
さらに、日本においては当面FelicaチップとNFCチップとのデュアル構成になるかもしれないが、サービス全体としてはアプリケーション、サーバーなどのバックグラウンドインフラ、運用などで違いは吸収でき、相互乗り入れに問題はないという。「FelicaにしろNFCにしろ、ユーザー側から見れば、できることに大きな違いはありません。携帯やスマートフォンでものが買えたり電車に乗れることが重要なので、端末の違い、NFCの方式の違いなどはユーザーに意識させないことが重要だと思っています。」(海和氏)と言うように、3ヵ国のキャリアが策定する共通仕様には、Felica、NFC Type A/Bの3つのプロトコルと、各国ごとの既存アプリをサポートすべきと規定されるそうだ。
■グローバル端末を考えるならNFC対応は必須
このようなキャリアの動きについて、各国の端末メーカーはどのように見ているのだろうか。ドコモや各国キャリアの担当者の話によれば、Felica、NFCどちらにも対応したチップセットが供給されているので、負担になるというような話は聞かないという。むしろ、海外メーカーにしてみれば、アジア圏で競争力のある端末にすることを考えれば日中韓のNFC対応端末は価値があるものとなる。また、日本市場のみを考えてもドコモ1社だけで年間約2,000万台の端末調達をしている市場である。海外ベンダーにとってはFelica対応も同様に無価値ではない。
日本のメーカーにしても今後のグローバル市場や海外展開を考えるなら、NFC対応は避けられないものだろう。
■まずはクーポンなどから―国ごとのローカルマーケットに浸透するサービスを目指す
日中韓でNFCの共通プラットフォームを作るという話だが、この枠組みの中で、今後はどのようなサービスが実現していくのだろうか。当面は、各国の主要都市や空港の店舗などで共通で使えるクーポンや決済サービスを考えていくという。次の段階では、対象範囲を広げ鉄道やバスなど交通機関、さらに各国のローカルマーケットへと利用拡大を目指していく。
海和氏は、具体的なプランについて「これからの部分はありますが」と前置きしつつ、「13年度の上期中に、韓国のcash beeというチャージ可能なポイントカードのサービスにドコモのNFCが対応する予定です。これは地下鉄など交通機関でも利用できます。また、ドコモiDとMasterCardのアライアンスによって海外51ヵ国でNFC決済を可能にする計画もあります」と答えてくれた。中国との連携でも銀聯カード(China UnionPay)や北京の公共交通機関パスとの相互乗り入れを考えている。ユーザーが、自分が利用しているサービスの方式がFelicaなのか、NFC Type A/Bなのかを意識することなく、気づけばドコモの端末で海外でも地下鉄に乗れたり買い物ができるようになっている。そうした状況が理想だという。
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