【CEATEC 2013 Vol.46】シャープから10.1型Windows 8搭載IGZOタブレット「Mebius Pad」 | RBB TODAY

【CEATEC 2013 Vol.46】シャープから10.1型Windows 8搭載IGZOタブレット「Mebius Pad」

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来年発売予定のWindows 8を搭載したIGZOタブレット・コンピューター「Mebius Pad」
来年発売予定のWindows 8を搭載したIGZOタブレット・コンピューター「Mebius Pad」 全 6 枚
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 シャープのブースではIGZO技術を使った多彩な製品展開を紹介していた。IGZO技術を搭載したスマートフォンやタブレット、業務用の32型4K2Kタッチディスプレイなどが既に商品化されているが、これらのデモンストレーションの他に、近く発売を予定しているWindows 8.1搭載の“タブレット・コンピューター”「Mebius Pad」などの参考展示も行われている。

 IGZO技術はシャープの展示会場中央のスペースを大きく使って紹介されており、改めて同社がIGZO技術にかける意気込みの強さをうかがうことができる。中でも特設スペースでスポットライトを浴びていたのが「Mebius Pad」だ。

 本機はWindows 8.1をOSに搭載した10.1型のタブレット。Windows OSを搭載したほか、ビジネス向けを中心とした展開を予定している商品ということもあり、同社では“タブレット・コンピューター”と呼び、Android搭載のコンシューマ向け“タブレット”「AQUOS Pad SH-08E」と敢えてカテゴリーを別のものとしてアピールしている。発売は2104年1月以降を計画する。

 画面の解像度は2560×1600画素、画素密度は300ppiで16対10のアスペクト比のIGZOディスプレイが採用されている。メインプロセッサーはIntel Atom「Z3770」。発売時にはWi-Fi単体機の他に、LTE/3G内蔵のモデルも商品化される予定。高速通信機能を搭載することによって、ビジネス用途にもフットワークの軽い“タブレット・コンピューター”であることをメリットに掲げる。

 販売は法人向け中心に展開する予定。数年前まで同社のPC製品のブランドネームとして親しまれてきた「Mebius」が、本機で復活することになった背景については「Mebiusのユーザーからの熱いラブコールがあった。シリーズの先端的な機能、使いやすさを支持してくれる声も多くあったことから、いまだ強く訴求できるブランドネームではないかと考え、このたび再出発することになった」とシャープのスタッフは語る。タッチ&トライのコーナーは設けられていなかったものの、来場者からの注目度は非常に高い製品だった。

 IGZO技術を発展させたプロトタイプの製品や技術についても数多く紹介されている。

 先頃発表が行われた、ノートPC向けに提案する15.6型のIGZO液晶ディスプレイのサンプルが展示された。画素数は3840×2160の「4K」対応。画素密度は282ppiとしている。この秋からサンプル出荷が始まった。同社では32型の4K解像度を持つ業務用タッチディスプレイ「PN-K322B」を今年の7月から発売している。いわゆるテレビ用のディスプレイとして使えるほど、大型サイズのIGZOディスプレイが今後展開可能なのか、同社スタッフに訊ねたところ「ディスプレイ自体を大型化することは可能だが、現在は一般的なテレビの販売価格が下がっているので、製造コストとのバランスを考えると現状では厳しい。4Kテレビの売値が上がってくれば、大画面商品への展開も難しくはなくなるはず」という回答だった。

 タッチパネル機能を搭載した13.3型のIGZO液晶ディスプレイの試作品も展示されている。こちらは鉛筆を使って画面に描き込みを試せるタッチ&トライコーナーが設けられており、タッチ操作への快適なレスポンス性能を体感することができた。IGZOディスプレイでは常時画面のリフレッシュを行っていないため、いわゆる画面の描画を休止している短いタイミングの間にタッチパネル操作への処理を行うことで、画像更新によって発生するノイズを少なくして高精細な表示を可能にした点が大きな特徴になる。今後同社ではPCやタブレット向けのデバイスとしてメリットをアピールしていく考えだ。

 IGZO技術をベースにした次世代ディスプレイの提案として「IGZO MEMSディスプレイ」の参考展示も行われている。通常の液晶ディスプレイで言うところの画素の部分がシャッターに置き換えられている点が大きなポイント。「MEMSシャッター」と呼ばれる微細なシャッターで光の透過をコントロールする技術により、液晶と比べて偏光板やカラーフィルターが不要となり、光のロスを抑えてより明るい画面表示を実現する。IGZOはTFTスイッチの部分に統合されている。

 今回展示された試作機は1280×800画素/220ppiの7型ディスプレイ。商品としての発売時期は今のところ未定だが、近い将来での量産化に向けた開発が進められているところ。試作機のディスプレイサイズに決定された理由については、7型前後のタブレットへの応用をわかりやすくみせるためのもので、同社のスタッフによれば「大型化、小型化とも技術的に困難ではない。いずれの方向でも検討を進めているところ」であるという。

《山本 敦》

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