【インタビュー】LTEエリア構築はどうなっていくのか……KDDIの基地局対策の現状
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木下氏:そうですね、ただそれはiPhone 5s/5cが出てきたから品質が良くなるというわけではなく、弊社では2.1GHz帯の品質向上には常日頃から取り組んでいますので、2.1GHz帯のエリア品質はこれからさらに良くなっていくと思います。800MHz帯についても、iPhone 5s/5cが対応したことで現在脚光を浴びていますが、実は当社ではアナログの頃から800MHz帯を使ったサービス展開をしていますので、品質向上への取り組みの歴史にも長いものがあります。800MHz帯の基本品質には自信を持っていますので、2.1GHz帯の充実化と合わせて、一所懸命に対応しています。
――800MHz帯は2.1GHz帯に比べて“粘り”がある分、遠い基地局につながって、掴み続けることもあると聞きますがいかがでしょうか。
木下氏:ハンドオーバーの技術をきちんと入れていれば、そのようなことは発生しないはずです。そもそも800MHz帯は基地局のカバーエリアが広いので、2.1GHz帯の電波が飛びにくいという特性と重なって影響が出ることはあるかもしれません。
■公衆無線LAN「au Wi-Fi SPOT」に11ac対応の超高速スポットが登場
――「au Wi-Fi SPOT」では「IEEE802.11ac(以下:11ac)」対応のスポットが登場してきました。しかし、LTEサービスのエリア強化と比べて、Wi-Fiへの取り組みにあまり注目が集まっていないイメージがあります。
木下氏:確かにLTE自体、相当スループットが出ますので、ユーザーがなかなかWi-Fiサービスを使わないという傾向はあります。3Gの頃は実行速度に大きな差があったので、Wi-Fiのメリットをアピールしやすかったのですが、LTEではその差を顕在化させることに工夫が必要です。
一部ではバックホールを光回線に変えて、見えないところでも努力をしていますので、11ac対応の施設など高速スポットも展開しています。テナント様などで簡単に設置できるメリットから、現在主流の無線タイプを選ばれるところも多いのですが、トラフィックの高いところでは、徐々に光回線に変えているケースも増えています。
――Wi-Fiを含めた最近のユーザートラフィックとして何か特徴的な変化は現れているのでしょうか。
木下氏:YouTubeなど大きなデータを消費するよりも、SNSのようなショートパケットが増えている印象があります。当社でもコントロールチャンネルは注視しています。計測している限りでは、今はまだ下りがボトルネックだと思います。
――ビデオ・オン・デマンドの利用率などはいかがでしょうか。
木下氏:LTEでも視聴はできますが、データ制限が発生するということもありますので、当社としては出来る限りWi-Fiで楽しんでいただきたいと考えています。
野外ではカフェなどに長時間滞在する人を中心にWi-Fiスポットの利用が多く、トラフィックも高いようです。Wi-Fi同士でのハンドオーバーが難しいところがありましたが、いまは新しい認証システムを入れ、Wi-Fiで行うキャリア・アグリゲーションのような仕組みを導入しています。これによって、Android 4.2以上のOSを搭載する端末では、Wi-FiとLTEの両方のセッションをはったままにするよう設定ができて、どちらかにつながらなかった場合、互いの切替をストレスなく行えるようにしています。
《山本 敦》
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