お買い物自転車こそ定期的な整備が必要
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自転車の安全利用促進委員会の長谷部雅幸氏は、自転車の整備不良による危険性を指摘する。子どもたちの送り迎えや買い物時に不慮の事故に遭遇しないためには、自転車をメンテナンスする必要性を知り、それをきちんとすることだという。
定期的に自転車を整備しないとどんなことが発生し、それがどんなトラブルを誘引するか? たとえば制動系パーツのブレーキに関して、ブレーキワイヤの伸びやブレーキシュー(車輪のリムをはさみ込んで減速させるゴム)の摩耗が生じて、制動力が格段に落ちる。
「メンテナンスをしないとどれくらい危ないか。ブレーキをかけてから停止するまでの距離を比較すると、整備をしていないと晴天時で1.64m長くなり、雨天時では4.50m長くなる」
それだけ障害物と衝突する危険度が増すというデータだ。
タイヤが摩耗しているときは、パンクしやすい上に雨天時はスリップして危険になる。空気圧が低いと走行抵抗が増えて体力を無駄に消耗する。またチェーンが摩耗によって長くなると、ギヤから脱落したりペダルを踏み込んだ力が効率的に推進力に置き換えられなくなる。背後から接近するクルマにその存在を認識させるリフレクターは、正しい角度に設置されていないと、クルマのライトが当たっても十分な存在感を示さない。
「どうして主婦層が自転車メンテナンスをしないか。その理由はやり方が分からない、めんどうくさいからなんです」と長谷部氏。趣味の人のように工具類をそろえて整備する必要はなく、自分でできることをやればいいとアドバイスする。
自転車の定期メンテナンスは以下のことから始めよう、と長谷部さん。
●「タイヤに空気をきちんと入れよう」
●「タイヤにヒビ割れ、摩耗がないかチェックしよう」
●「チェーンの状態を確認し、油を注そう」
●「前後のブレーキがちゃんと効くかチェックしよう」
それ以外の不具合があれば、自転車ショップに持ち込んで自転車技士・自転車整備士の資格を持った人に整備してもらう。また、半年に一度は定期メンテナンスが必要だ。
もっと基本的なことをいえば、購入する段階で安全な自転車を判別することも重要。ネット通販は最終的な整備・点検がされていない可能性があるため、町なかにある自転車専門店で、安全性を保証するBAAマークなどが貼られた自転車を購入する。小柄で握力の弱い主婦のなかにはブレーキレバーがうまく操作できない人もいるが、そんな場合でも自転車屋なら調整してくれるはずだ。
自転車の安全性とは、きちんと走って止まれるか。事故に巻き込まれないためにも、一度自分の自転車をチェックしてみよう。
《山口和幸》
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