【浅羽としやのICT徒然】第12回 SDN関連技術の標準化の現状
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SDN/OpenFlowでは、従来のネットワーク機器から制御機能を独立させたコントローラと呼ばれるソフトウェアを中心にアーキテクチャが構成されています。図では、真ん中のコントロールレイヤがOpenFlowなどのプロトコルを駆使して、インフラレイヤにある多様なネットワーク機器の制御を行いながら、仮想化/抽象化されたネットワークサービスを定義します。これはKVM等のHyperVisorがコンピュータを仮想化するのと同じような役割です。そして、SDNコントローラは、これらのネットワークサービスをアプリケーションプログラムから利用できるようにするためのAPIを定義し、公開しています。
ちなみに、この図のコントロールレイヤとアプリケーションレイヤとの間をNorthbound、インフラレイヤとの間をSouthboundという言い方をします。地図の上下に見立てた呼び方です。
■OpenFlowの標準化と普及
OpenFlowの開発はスタンフォード大学を中心とする学術コミュニティを中心に進められてきました。2009年12月にはバージョン1.0.0がリリースされ、さまざまなスイッチベンダーの商用機への実装が進みました。
2011年3月に、Deutsche Telekom、Facebook、Google、Microsoft、Verizon、Yahoo!の6社の呼びかけで、Open Networking Foundation(ONF)という団体が立ち上げられると、標準化のプロセスはONFへと移管されることになりました。現在は上記6に加え、Goldman Sachs社とNTT Communications社の合計8社がボードメンバーとなり、131社が参加する団体へと成長しています。
またONFの協賛で毎年一回アメリカの西海岸で開催されるOpen Networking Summitというイベントでは、SDN関連のコンファレンスと多数のベンダーによる最新のSDN製品の展示が行われ、世界中から多数の参加者が集まっています。このような活動を通じて、OpenFlow/SDNへの理解が徐々に進んで来ています。
OpenFlowは、その後複雑なマッチング動作を規定するためのマルチテーブルや、MPLSやPBBなどのWANプロトコルへの対応、IPv6への対応、フロー単位でのトラフィック制御、光伝送ネットワークへの対応などの拡張を重ね、現在はバージョン1.4.0が最新バージョンとして仕様が公開されています。
OpenFlowは現在SDNのSouthboundプロトコルとして主力の地位を確立したと言えるでしょう。
■OpenFlowにないもの
このようにOpenFlowの標準化と普及は着実に進んではいるものの、OpenFlowが万能というわけではありません。OpenFlowを導入するには全てのスイッチをOpenFlow対応のものに入れ替え、コントローラ配下に納めて全体を制御する必要がありますが、既存の機器を一気に入れ替えるのにはコストがかかりますし、リスクも大きいです。
次回は、既に運用されているIPネットワークをうまく活用しながらSDNを実現する、Overlayの考え方を説明し、その標準化の状況を解説します。
《浅羽としや》
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