クラウド・IPによってPSTNのマイグレーションを加速……PBXをクラウド化するSmart PBX 2ページ目 | RBB TODAY

クラウド・IPによってPSTNのマイグレーションを加速……PBXをクラウド化するSmart PBX

エンタープライズ ソフトウェア・サービス
NTTコミュニケーションズ 取締役 ボイス&ビデオコミュニケーションサービス部長 丸岡亨氏
NTTコミュニケーションズ 取締役 ボイス&ビデオコミュニケーションサービス部長 丸岡亨氏 全 11 枚
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 丸岡氏は、続いて同社の音声に関するクラウドサービスラインナップを紹介した。ユニファイドコミュニケーションでは、今回発表したSmart PBXの他、UCaaSというシスコのソリューションをベースとしたサービスがある。両者の違いは、「Smart PBXが主に国内市場をターゲットとしたもので、UCaaSはグローバル戦略の中でのブランドといえる。どちらもVoIP基盤はArcstar IP Voice(海外ではArcstar SIP Trunking)(丸岡氏)」だという。

 会議系のサービスにはArcstar Conferencingがあるが、これは最近、フランスのアルカディン社を買収しポートフォリオを広げている。モバイルではおなじみの050 Plus W-modeを携帯電話やスマートフォン向けに展開中である。Smart PBXでも利用可能なWeb電話帳はコミュニケーションポータルとして、さまざまなサービスとの連携が可能となっている。そして、4月下旬にはクラウド型コンタクトセンターのソリューションとして、Arcstar Contact Centerのリリースが予定されているという。クラウドのメリットを生かし、短期間のコンタクトセンターや柔軟なスケーラビリティといったニーズに対応する。

 2つ目のキーワード「IP化」について丸岡氏は、Arcstar IP Voiceの強化を、今回同時に発表した。強化された点は、Smart PBXのVoIP基盤としても対応したこと、従来のVPN回線(Arcstar Universal One)に加えインターネット回線(OCN)が利用できるようになり、コストダウンのニーズに応えるようにしたこと、「ビジネスポータル」に対応し、設定や管理がGUIによって可能になったこと、緊急通報・災害時優先電話機能に対応したことなどだ。

 従来050番号だけでは、110番などの緊急通報はできなかった。そのため、オフィスのIP化、UNC化しても通常の固定回線の契約が必要だった。強化されたIP Voiceでは、すべてIPに統合できる。この点は、PBXのクラウド対応+IP化と相まって、一般的な企業への利用が拡大する可能性がある。丸岡氏も「IP化によってPSTNのマイグレーションを進めたい。」と述べていた。

 プレゼンテーションの後、Smart PBXのデモも行われた。オフィスの電話がクラウド化された営業所を模した環境で、取引先や外出中の社員との通話シチュエーションのデモが4つ披露された。4つのデモは、一斉着信(スマートフォンにも一斉着信の設定が可能)、コールピックアップ(スマートフォンによる代理応答)、保留転送(着信を保留しながらスマートフォンで出先の担当者に転送)、外出先からの内線通話(出先からスマートフォンで内線番号で通話)だ。

 これらの操作は、Smart PBXの端末側アプリの画面で行われた。アプリの画面はビジネスフォンのように「保留転送」などのボタンが表示され、まさにPBXの機能がアプリ化されていた。

 最後の質疑応答で、丸岡氏に、Smart PBXと従来から提供しているユニファイドコミュニケーションサービス(UCaaS、050 Plusなど)との違いを聞いたところ、以下の回答を得た。

 「Smart PBXはAsteriskをベースとしているため、ID数を500と限定しています。そのため、Smart PBXは中堅・中小企業が主なターゲットになるでしょう。国内企業でも大規模なところはUCaaSを利用する形になります。またSmart PBXでは、キャリアフリー、デバイスフリーを謳っていますので、対応するソフトフォンやスマートフォンが多くなっています。その他、インスタントメッセージやプレゼンス機能でUCaaSと異なる部分があります。」

 NTTコミュニケーションズでは、Smart PBXのビジネス規模を、期限を定めず年間で数十億円の売上を目標とする。
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《中尾真二》

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