【連載・視点】クラウドソーシングという挑戦……「時間と場所にとらわれない働き方」は定着するか
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秋好氏は大学生時代からインターネット系サービスの学生ベンチャーを立ち上げ、1500万から2000万円という学生としては大きな額の年商を稼いでいた。その後ニフティに入社し、プロジェクト・マネジメントやディレクションに携わる。そうしてエンジニア、発注側双方の立場を経験したことをきっかけに、企業とフリーランスのマッチングサービスを思い立ちランサーズを立ち上げた。
順風満帆に見えるランサーズだが、冒頭にあるように当初は誰からも使われなかった。それでも2年間諦めなかったのは、学生時代に味わった高揚感を、多くの人と共有したいという思いがあったからだ。「最初の1、2年は本当に辛かったです。サラリーマンをやっていると、誰かが見てくれているもの。努力すれば評価される。たとえ結果は出ていなくても、死に物狂いで働いていれば『頑張ってるね』と言ってもらえます。でも起業すると、自分ひとりだということを思い知る。困っていても誰も気づかないし、頑張っても誰も気にも留めない。僕もサラリーマン時代の10倍は働いていましたが、誰も助けてくれないんです。それでも続けたのは、大学時代のワクワク感をみんなに知ってほしかったから。インターネットというものの力を多くの人に知ってほしいというという思いがあったからこそです。単に社長になりたいとか、年収1億円稼ぎたいといったモチベーションだったらすぐに諦めていたでしょうね。本当に辛いので(笑い)」
ランサーズが生活の一部になっている人を見ると、自分がやってきたことが間違っていなかったということを信じることができる。先日も、ユーザーから直接ヒアリングすることを欠かさないという秋好氏が、大阪の企業に話を聞きに行ったときのこと。そこで会ったのはその会社の社長で、話の中で「社員」という言葉が出てくるのだが、どう見てもスタッフはその社長一人だけで、他に社員がいるように見えない。よくよく話を聞いてみると、ランサーズを介して仕事を発注している相手を「社員」と呼んでいるようなのだ。「他の社員の方はどちらに?と聞くと、奈良に1人と兵庫に1人、デザイナーとエンジニアがいるというんです。それはつまり、ランサーズ上で一緒に仕事をしている人のことだった。オンラインで繋がっている、会ったことのない人を、社員と呼んで仲間だと認識しているんです。手前味噌ですが、すごく面白いなと。もちろん契約形態は社員ではないですよ。でも、それくらい“チーム”という意識でやっているんです」
オンラインワーカーの数は増加する一方だと言われる今後、こうした繋がりが増えていくだろう。あくまでも「働き方の選択肢を増やす」ことを目的に立ち上がったランサーズだが、労働インフラの重要な1つとなる可能性を秘めている。
《大木信景》
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