【インタビュー】KADOKAWA・井上代表取締役&東映・白倉取締役……キカイダーをREBOOTした想い
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--- KADOKAWAは媒体ですので、キカイダーをコンテンツのひとつとして映画を製作するのはわかります。いっぽう東映にとっては自社のコンテンツなのだから単独で映画化してもいいのに、KADOKAWAをパートナーに選んだ。そこにはお互いなんらかの“想い”があったはずです。
井上:私がリアル“中二病”なんですよ。中二のときキカイダーを見て(編注:初回放送は1972年)、好きで忘れられなくて。2011年になって白倉さんに、「来年は40周年だけど何か企画はありますか?」と聞いたら何もないというので、年明けてすぐに企画書を持って行ったんです。
白倉:井上さんでなかったらやってなかったですね。
井上:白倉さんにも思い入れがあったと後で知りました。実現までの2年間は大変でしたけれど。
--- 作品のメインターゲットは?
井上:オールターゲットです。平成ライダーが15年間続いて、ライダー映画の年齢層が広がってきています。しかし邦画で、ライダーの後に見る、思春期向けの映画が少ないと思うんですよ。とくに男の子向けの実写がない。映画を見ないわけじゃなくて、アニメやホラー映画は中高生に対して手応えがあるんです。もっと選択肢があってよいはずだ、ヒーローものもあるべきじゃないか、と。自分は中二のとき「キカイダー」が刺さったし。
--- その辺がコア層ですか。
井上:かつてテレビを見ていた我々の世代が見てもおもしろいですよ。敵役の神崎に「その気持ちわかるよー」と(笑)。子どもはマサルを応援するでしょうし、女性はミツコに感情移入してくれると思います。
--- テレビで放送中ではない作品の映画化ですが、そのデメリットがあるんじゃないですか?
白倉:ないですね。テレビは放送時間が決まっていて、ライダーや戦隊は日曜日の朝の放映です。その時間を基準にすると低年齢層向けにならざるを得ない(編注:白倉氏はライダーや戦隊の製作も手がけた)。ファンの裾野は広がっているというものの、コアターゲットから軸足をずらせない。テレビのレギュラー放送がなかったので、“裾野”=ハイターゲットをねらった作品を制作できました。
井上:製作の自由度が高い。テレビ発のヒーローではできない表現が可能でした。
--- では、キカイダーらしさとは何でしょうか?
井上:「良心回路」ですね。心とはどういことか。キカイダーは思春期の少年の象徴なんです。悩む。自我がどこにあるのか、と。
《高木啓》
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