【木暮祐一のモバイルウォッチ】第48回 Google Glass はブレイクするのか? Part1「開封の儀」 3ページ目 | RBB TODAY

【木暮祐一のモバイルウォッチ】第48回 Google Glass はブレイクするのか? Part1「開封の儀」

IT・デジタル 周辺機器
装着して街中を歩いても、すれ違う人の多くは違和感を感じなかったのか、視線を感じなかった
装着して街中を歩いても、すれ違う人の多くは違和感を感じなかったのか、視線を感じなかった 全 13 枚
拡大写真
■Google Glassの基本機能

 早速、Google Glassを使ってみたい。Google Glassはスマートフォンとの連携が必須となる。スマートフォンには、Googleが提供している「MyGlass」アプリをインストールする。Android版とiOS版が米国ユーザー向けに提供されている。米国ユーザー向けというのは、GoogleアカウントあるいはApple IDの住居地設定を米国に変更しなおさなければダウンロードできない。筆者の場合、Androidでは居住地設定をうまく変更できなかったため、米国に居住地変更ができたApple IDを使って、iPhoneにインストールした「MyGlass」アプリと連携させてGoogle Glassを使用した。

 ペアリングは簡単で、MyGlassアプリを起動し、チュートリアルに従って操作していくだけでよい。QRコードが表示されるのでこれをGoogle Glassで読み取るとBluetoothのペアリングが完了する。一度設定しておけば、あとはスマートフォン(ここではiPhone)とGoogle Glassが常時Bluetoothで接続され、テザリング機能を通じてGoogle Glassがクラウドにアクセスし、ユーザーに必要な情報が表示されるようになる。Google Glassとペアリング中は、iPhoneの場合常時テザリングでインターネットに接続された状態になる。Google Glass自体は操作時以外はすぐにスリープ状態なるようだが、スマートフォンのほうは電池の消耗がやや気になるところだ。実際に終日こうした状態で使ってみたが、スマートフォンおよびGoogle Glassともフル充電状態で朝10時にホテルを出発し、街中で情報表示させたり撮影などを繰り返していると、17時ごろには、スマートフォン、Google Glassともに電池容量低下のアラートが出た。使い方にもよるが、電池消費の問題は今後の課題であろう。(画像06)(画像07)(画像08)

 実際のGoogle Glassのディスプレイに表示された投影画面を何とかカメラに収めたかったのだが、残念ながら筆者の腕ではどうにも手に負えなかった。どのようなイメージで視界にGoogle Glassの映像が映るかはGoogleやExplorer ProgramのユーザーがイメージVTRを公開しているのでそれらを参照していただくとして、じつはMyGlassアプリでは実際にGoogle Glassに投影されている画面をスマートフォン上にも表示させる機能があるのでこれをキャプチャしたスクリーンショットを元に、Google Glassでできることを説明していきたい。

 まず、Google Glassがアクティブな状態になると、時間表示と“ok glass”というデフォルトの画面が表示される(画像09)。Google Glassは顔から外すとスリープになり、掛けるとスリープが解除され、この時計画面が表示される。また掛けている状態でスリープしていても、サイドのタッチパッドをワンタップするか、顔を軽く上げるとスリープが解除され時計画面表示になる。ディスプレイ下部にある“ok glass”というのは音声コマンドを表す。つまりこの状態で“ok glass”と発音すれば、Google Glassを触らなくとも次のアクションに移すことができる。わが国では人前で音声を使ってコマンド入力するようなシチュエーションは流行らなさそうだが、声を出したくなければサイドのタッチパッドをワンタップすることでその操作に代えることができる。

 さっそく“ok glass”と命令すると、次の音声コマンドを求める画面が表示される(画像10)。たとえばここでさらに“take a picture”と発声すれば、Google Glassが直ちに静止画撮影してくれる。画面下にはまた“ok glass”が表示されているが、つまり"ok glass"と発声することで、撮影した静止画を次にどうしたいのかというメニューに進むことができる。たとえば「share」と発声すると、facebookやtwitterに撮影した画像を直ちにアップロードできる。メールで送信することも可能だ。筆者は主にfacebookを活用しているが、画像の公開範囲も自分だけ(only Me)、友達(Friends)、公開(Public)などと音声で指示が可能だ(画像11)。もちろん、音声で操作するのが気になれば、タッチパッドをタップしたりスライドタッチすることで、同様な操作に代えられる。

 そのほかのGoogle Glassにデフォルトで搭載されている機能としては、ユーザーのGoogleアカウントに紐付けられたメールやカレンダーなどの各種情報閲覧である。新着メールがあるとアラームと共に新着メールのタイトルと本文の一部、送信者情報が表示される。Google+でつながっているユーザーからのメールでは、相手の顔写真も表示される。

 筆者もGmailを愛用しているが、Google Glassに表示されるのは重要度の高そうなメールに絞り込んでいるようだ。スパムメールはもとより、メールマガジンなども排除し、重要そうな用件で送られてきたメールが選定され表示される。カレンダーの閲覧も同様に、当日のスケジュール一覧が時系列に表示される。メールやカレンダーの内容をより詳細を閲覧したければ、Google Glassのサイドをタップすると次の階層に進み中身を確認できる。本来、米国でのみ発売されたものであるが、表示だけは日本語を含め各国の言語でメール内容等の表示が可能であった。

 簡単に前述したが、Google Glassには音声通話時のハンドセット代わりにもなる。ペアリングさせているスマートフォンに着信があると、Google Glassに“Incoming”が表示されると共に、着信アラームが聞こえてくる。着信中に“ok glass”と “answer call”または“decline call”という選択肢が表示され、“answer call”と発声すればそのままハンズフリーで通話に入れる。これは非常に便利だ。逆にスマートフォンから発信する場合も、どの手段で通話するかのメニューにGoogle Glassが表示されるので、これをタップすればGoogle Glassを通じて通話することができるのだ。(画像12)

 次回はGoogle Glassがどのようなシーンで活用されていくのか、今後のアプリケーション活用の展望も交えながら、Google Glassが果たしてブレイクするのかどうかを考えていきたい。
  1. «
  2. 1
  3. 2
  4. 3

《木暮祐一》

特集

【注目記事】
【注目の記事】[PR]

この記事の写真

/

関連ニュース