【浅羽としやのICT徒然】第16回 フェイスブックの心理実験からメディアを考える
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実験結果が「米国科学アカデミー紀要」という専門誌に掲載されたため発覚したのですが、同社は、ユーザに同意を得ている「データ利用に関するポリシー」の範囲内としながらも、ユーザの感情操作を意図的に行うことは倫理的に問題だとする批判を受け入れ、謝罪をしています。この実験の対象ユーザは約70万人。期間は約1週間行われたそうです。操作の内容は、対象ユーザ向けのニュースフィードからポジティブな文言を含むコンテンツの比率を落とす、もしくは、逆にネガティブな文言を含むコンテンツの比率を落とす、というものでした。結果、ポジティブなコンテンツが減らされた人は、その人自身の発言からもポジティブな発言が減り、ネガティブな発言が増えたそうです。逆に、ネガティブなコンテンツが減らされた人は、逆の傾向の発言をしたそうです。
メディアが世論形成に利用されるということは昔からよくあることですが、ネットの利用権は民主主義下での基本的人権とまで言われているわけですし、独裁主義国家での人民蜂起と民主化運動のツールとして活用されてきたソーシャルメディアの雄であるフェイスブックが、あくまで科学的実験であるとは言え、世論操作技術の確立にも繋がりかねない実験を、ユーザに無断で実施していたという事実はいささか衝撃的です。さらに、およそ一年前に元CIA職員のスノーデン氏が、NSAが秘密裏に実施していたインテリジェンスプロジェクト、PRISMの存在を示す大量の資料を暴露した際に、NSAが音声、動画、写真、電子メール、文書、接続履歴を含む膨大な量のデータを収集している対象としてフェイスブックの名前も挙げられていたのは記憶に新しいでしょう。ザッカーバーグ会長は自身のフェイスブックアカウントで自社の関与を否定していたはずですが、今回の話を知り、再び不安を募らせるユーザも少なくはないのではないでしょうか。
《浅羽としや》
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