【木暮祐一のモバイルウォッチ】第55回 国産メーカーの再起となるか? ソフトバンクによる日米共通スマホの開発 | RBB TODAY

【木暮祐一のモバイルウォッチ】第55回 国産メーカーの再起となるか? ソフトバンクによる日米共通スマホの開発

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 ソフトバンクは今年5月の決算発表会で今後は新製品発表会を開催しないと宣言していたにも関わらず、8月18日に東京都内で新製品に関わる記者会見を行った。いったい、どのような製品が披露されるのかと期待が集まったが、そこで発表された端末はシャープ製スマートフォン「AQUOS CRYSTAL」の1モデル、2バリエーションのみ。

 しかし、この会見で最も重要なことは、この端末が日米共通販売端末として、ソフトバンクモバイルと米国スプリント、およびスプリント網を利用したMVNOである米Virgin mobileと、米boost mobileで取り扱われるということ。さらにこのスマートフォンを通じて、両国共通のアプリ供給プラットフォームを打ち出すなど、グローバル進出を果たしたソフトバンクがいよいよそのスケールメリットを活かした事業の第一歩を踏み出したことを世に知らしめる重要な発表会となった。これは国産メーカーや国産アプリベンダーにとっても朗報となるトピックスだ。

■次期iPhone発表前に先手を打った?

 今回発表されたスマートフォンは、シャープ製の「AQUOS CRYSTAL」。日米両地域で展開される通常モデルと、日本向けに機能をカスタマイズしたプレミアムモデルの「AQUOS CRYSTAL X」の2モデルとなっている。ソフトバンクのグループ企業となった米スプリントとシャープとで一年越しで共同開発したという。製造するシャープの十八番ともいえるディスプレイ技術を活かし、「スーパーナローベゼル仕様」を特徴とし、これを"フレームレス構造”と呼んでアピールしている。5.0インチディスプレイでありながら横幅を67mmに抑えており、ソフトバンクは「女性でも片手で操作できる」とアピールする。

 またHarman社製のサウンドエフェクトエンジンを使用した「CRISTAL SOUND」を搭載。音楽データを圧縮する際に失われた音の情報を復元する「Clari-Fi(クラリファイ)」と、音楽に広がりを持たせて臨場感を実現する「LiveStage」といった機能を備え、またSoftBank SELECTIONでは5万円台で販売されているharman/kardonのBluetoothスピーカーを標準で同梱している。端末の詳細なレビューは主要なメディアが報じているので、それらを参照していただくとして、とくにソフトバンクと米スプリントによるグローバル戦略の部分にスポットを当て、今後国産メーカーやアプリ開発ベンダーに与える影響について考えてみたい。
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《木暮祐一》

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