【インタビュー】栗田貫一「声優が財産になった」……『バーン・ノーティス』
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バーン・ノーティスとは、ここでは解雇通告を意味する。CIAスパイだったマイケルは任務のさなか突然クビを宣告される。自分をクビにした謎の人物を追跡しながら、元恋人のフィオナや相棒のサムとともに、周辺で起こるさまざまな事件を解決していく。スパイの現代事情や心得といった、スパイ活動のあれこれを主人公がナレーションで解説するのも本作の特徴だ。
主人公マイケルの声を当てたのは栗田。『ルパン三世』のルパン役についで、主役級の声優は2度目だが、7シーズンを重ねる長寿シリーズとなった。
--- 『バーン・ノーティス』も最終シーズン。思うことはありますか?
栗田:5年以上演じてきたので愛着ありますね。「こんなに続くの?」って気持ちでやってました。シナリオがいい作品なんだ。
--- この作品はどこを楽しめばいいですか。
栗田:元スパイの主人公が街の厄介ごとを解決していく。銀行強盗に巻き込まれて、弾を一発も撃たずに解決したりね。そんなところが面白かったのに、シーズンを重ねるとシリアスになって……。だからこそ長寿シリーズになったと思いますね。
--- ところどころユーモラスな“巻き込まれ型”の、いわゆる私立探偵ものという印象だったのですが。ではファイナルシーズンはどんな展開になるのでしょう。
栗田:前と違うよ。最近は遊びが無くなった。人が死ぬんですよ(笑)。それがね、最終回がなんだかいいんですよ(笑)。直前まで“だから何なんだよ”という感じだったのが、終わらせるには“これしかない”という終わり方をするんです。もう強烈。ファンは泣くでしょうね、「ウウッ」と来る。でも悲しいだけでなくて「いいよ!」って感じる。
--- どういう経緯で『バーン・ノーティス』の声の仕事が来たのですか。
栗田:よくわからない(笑)。だからオーディションではパニックだった。すごい人達に囲まれて、溺れてました。主人公の声優に選ばれて、最初は役者のジェフリー・ドノヴァンに声や演技を寄せてたんです。でも共演者が強烈で、真似では共演者にかなわない。そこで自分自身の声でしゃべるようにしたのだけど、今度は演技も自分で作らなければならない。すると演技がおどおどしちゃう。ドノヴァンでもない、自分でもない、マイケルに聞こえる声のベースに落ち着いたのはシーズンを何本かやってからです。そのころはルパンも良くなりましたね。
《高木啓》
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