企業のブランディング活動……信頼性とチャレンジ精神とのバランス
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●「ブランディング」につながる好循環
経営コンサルタントの竹内幸次氏は、企業のブランドイメージについて『人』が重要である、と説く。「ソーシャルメディアの発展などで、消費者発信の情報が企業のブランドイメージに影響を与えるようになっており、商品・サービス以外の要素、特に企業で働く『人』も重視されるようになった。いい商品・サービスを提供しても、それを提供する『人』のイメージがネガティブであれば、商品・サービスのイメージも下がってしまう」。
「最近では社内研修で、従業員にその企業の『人』であるという意識を持たせることが増えてきた。経営理念などが共通認識として保たれていれば仕事は進めやすい。社屋がきれいになったり、制服のデザインが好みのものであったりすれば、仕事をするモチベーションが上がる。こうして企業全体が成長するわけだ。『人』によってこの好循環が生み出され、その循環から生まれるのが『ブランディング』だ。ブランドは長い時間をかけて構築される。企業全体の『人』が共通認識を持って変革に取り組み続けることで、企業は進化していく」と竹内氏は言う。
●ANAの制服リニューアルにはストーリーがある
ブランドイメージに定評がある企業のひとつがANAだ。ANAはSKYTRAXの世界最高評価「5-STAR」を、日本の航空会社としては初めて受賞している。CS推進部の小沢ちあき氏はANAのブランドイメージについて「ANAの創業時からの理念が『安心と信頼』、そして『常に最高のサービスとおもてなしを届けること』。これら2つの理念は、サービス開発や制服リニューアルなど、すべての取り組みの根底にある。ブランドに磨きをかけ続けることは、根底にある価値を守りながらも、進化していくことだ」と説明する。
進化のためのチャレンジはANAグループ全体で様々に実施しており、2014年冬より10年ぶりに制服をリニューアルするが、これも挑戦の一環だ。「ブランドを象徴するものである新制服は、『挑戦し強く生まれ変わる』をコンセプトとした。本デザインを採用した理由は、細部に至るまでコンセプトを反映したストーリーがデザインされていたからだ」。
《高木啓》
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