箱庭ゲーム『ヘイ・デイ』をやってみた……幅広く奥深い、人間の当たり前の活動 | RBB TODAY

箱庭ゲーム『ヘイ・デイ』をやってみた……幅広く奥深い、人間の当たり前の活動

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『ヘイ・デイ』タイトル
『ヘイ・デイ』タイトル 全 13 枚
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 フィンランドのモバイルゲーム開発会社Supercellの生み出した農業系育成栽培ゲーム『ヘイ・デイ(HayDay)』のTVCM(主演:忽那汐里)が3日、公開された。そこで今回は、実際にプレイして『ヘイ・デイ』がどのようなゲームか紹介する。

 Supercellと言えば、俳優の渡部豪太氏が出演するTVCMでお馴染みの『クラッシュ・オブ・クラン』を世に生み出した企業。少数精鋭でありながら話題作をリリースしている開発集団だ。実際に『ヘイ・デイ』も6人ほどのクリエイターが作成しており、取り回しの利く個々人のスキルを発揮して開発されたという。

 また、Supercellは日本進出にも積極性を見せており、それはCM本数の多さや電車の中吊り広告にも現れている。ゲームそのものもしっかりローカライズされているため、プレイに齟齬を感じる部分は無い。それもそのはず、日本のモバイルゲーム市場は世界的に見ても大きく、参戦を窺っているデベロッパーも多いのだ。

 世界78カ国でiPadでのトップセールスを誇る『ヘイ・デイ』。続いては、レビューを交えてその内容を紹介していきたい。

◆育て、対価を得る

 ゲームは、プレイヤーが土地をあずかるところから始まる。木々の生い茂る土地を開墾し、畑を作り、多種多様な農作物や畜産にも手を出していく。小麦やトウモロコシ、鶏の卵。そして、ひと通りの収穫が終わり、収穫した作物を販売する……。ここまでがチュートリアルとなっているため、違和感なくプレイを開始する事ができた。と、同時に、先輩農場主の農場の立派さに心を惹かれてしまった。

 そう、このゲームでは、自分の農場を大きくしていく要素とともに、世界中に数多く存在するファーマーたちとコミュニケーションをしていくゲームでもあるのだ。もちろん一人だけで完結する事もできるが、Facebookなどと連動して協力していく事で、ゲームを有利に進められる。農作物や畜産物を育み販売するに至っても、他人との協力関係は重要だと言える。とは言え、無理にコミュニケーションをとる必要も無く、協力し合いながら黙々と没頭できる事も大きな魅力だ。

 ゲーム内での“通貨”は「ダイヤモンド」や「コイン」が通用する。『ヘイ・デイ』は完全に無料でプレイ可能だが、一部のゲーム内アイテムについては、ダイヤモンドやコインを購入することでも購入可能だ。例えば後述のミステリーボックスを開けるのにはダイヤモンド3個が必要だが、ダイヤモンドはゲーム内の農場の収入から入手してもよいし、別途プレーヤーが購入してもよい。購入する場合、ダイヤモンドはひと山(50個)200円から大箱(3750個)9800円までとなっている。

◆レベルを上げて設備を増やそう

 農作物や畜産物を育てていると、我が農場のレベルが上がっていく。そして、レベルアップの都度、新しい施設や新しい農作物・畜産物を育てる事が可能になる。パン焼き釜でパンを焼き、エサ作り機で家畜のエサをせっせと作る。乳製品工場では、牛から絞った牛乳を元にしてチーズやバターを作る。BBQグリルやパイ焼きオーブンなどの他、機織り機や果ては溶鉱炉でプラチナの延べ棒を作り出す事もできてしまう。

 パンプキンパイやポップコーンなどを貯蔵しておく納屋や、農作物を貯蔵しておくサイロなどは、特定のアイテムを用いて拡張する事が可能。レベルが上がると作れるものの数もどんどん増えていくので、拡張は重要だと言える。特定のアイテムは、他の農場主から購入したり、トム少年から購入したり、大先輩のグレッグから購入したりする他に、ミステリーボックスと呼ばれる箱をタッチする事でも得られる場合がある。また、農作物などを収穫する際にも拾う事ができるため、こまめに集めるクセをつけておこう。

 こうなると何か錬金術じみているが、要は、種を蒔き、世話をして、副産物などを売って生計を立てているわけだ。農業系ゲームは数あれど、箱庭的構造を持つゲームであるのにやる事、やれる事が多く、フリートゥプレイ、フリーミアムなゲームであるにも関わらず、かなり幅広く、深いところまで遊べてしまう作品は多くない。

 作り出し生み出して、販売していく。そういった人間の当たり前の活動が、この画面の中には収まっていた。

◆やり込みやプレイスタイルから見る将来性

 時間の無い時には、農作物を手早く収穫し、家畜にはエサをあげてすぐ閉じる。一方で、時間に余裕があり、しっかり遊びたい時には何時間でも収穫や販売の喜びを得る事ができる。それこそが『ヘイ・デイ』の魅力であり、長く遊ぶプレイヤーが多い理由ではないだろうか?

 自由度の高さは多様なプレイスタイルを生むもの。柵や設備やオブジェクトなど、ほぼすべてのものを自分で配置しデザインできるため、美しい農場を作るもよし、システマティックな農場を作るもよしだ。生産性を度外視してでもレイアウトに凝っているプレイヤーもいるため、ゲーム内の農場回りをしているだけでも、気がついたら数時間経過していた……、という事も実際にありうる。やれる事が多いため、自分に合った、等身大の遊び方を選択できる事も人気の理由として大きいのだろう。

 もとより日本では農業系のゲームが好まれる傾向にあり、その観点からも、本作はまだまだDL数を伸ばしていきそうだ。

◆ハロウィンバージョンも

 TVCMも始まり話題性も十分な『ヘイ・デイ』。さらには24日から、期間限定で特別仕様になるとのこと。期間内は、動物たちや木・柵等のディティールアイテムがハロウィンバージョンに変貌するという。おかしくて可愛らしい動物達も、ハロウィンの子供たちさながらに愛嬌を振りまくに違いない。

《平工泰久》

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