日本人はもっとも気が短い?……10カ国で比較、「顧客サービス」意識調査
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今回発表された結果は、日本の消費者1,000名の回答をまとめたものとなっている。それによると、「期待通りの顧客サービスを受けている」と思う消費者は過去4回の調査で最低となる45%。年々低下していく傾向が明らかとなった。一方で顧客サービスが「期待を下回っている」と回答した人は26%で前回(36%)よりも大幅に好転していた。背景に、顧客サービスに対する期待が多様化していることがあるとみられる。
サービスを提供する企業を選ぶ際に重要な要素について聞いたところ、「顧客サービス」が一番重要だと回答した日本の消費者は13%と少なく、半数近い41%が「高品質の製品」、次いで「コストパフォーマンスの高さ」(32%)という結果になっている。なお、「以前に良いサービスを提供されたという理由で、その企業を利用するために他社よりも高い金額を支払った経験はありますか?」という問いに対して、「はい」と答えた日本人は10ヵ国中でもっとも低い35%に留まり、他の9か国平均71.5%と比較しても大きく意識の違いが表れた。“優れた顧客サービスを受けることは当然のこと”というのが日本人の感じ方のスタンダードというのが現状のようだ。
「顧客サービス担当者の態度としてもっとも重要と思われる項目」という質問では、日本とイタリアを除く8か国で、約30%以上が「効率を重んじる」と回答。イタリアは顧客の要求を自分で処理できる「十分な権限をもっている」(41%)ことをもっとも重視している。一方日本人は「効率」は12%と他の国に比べてもっとも低く、逆に「礼儀正しさ」(26%)、「人間的であること」(28%)、そして「相談相手として頼りになること」(20%)が上位になっている。
一例として、日本の消費者は、「電話で顧客サービスセンターに連絡した場合、電話がつながるまでに待てる時間」は「5分以下」と回答した人が56%と、10ヵ国中でもっとも短い時間結果となっている。反面、対面での顧客サービスにおいて待てる時間は、前回の平均11分を上回る14分に増加し、顔の見えるサービスには寛容な態度になっていた。ただし「ひどい顧客サービスを我慢できる回数」について聞いたところ、日本を除く9ヶ国では50%以上が「2~3回は我慢できる」と回答したのに対して、日本人は過半数の52%が「1回でもひどい顧客サービスを体験したら、ただちに別の会社に替える」と回答している。ある意味、顧客サービスに対して、日本人は“世界でもっとも気が短い”といえそうだ。
なお過去1年間に、「顧客サービスを利用するためにSNSを利用した経験のある人」は前回の21%から26%に増加。用途では、前回同様「自身のサービス体験を多くのユーザーに情報共有すること」(39%)が1位だが、「サービスの問題について企業から回答を得るため」と回答した人が21%となり、前回より6%増加している。「優れたサービス体験についてその企業を称賛するため」も前回よりも4%高い20%になるなど、顧客サービスにおけるSNSへの依存度が高まっている傾向が伺えた。
本調査の結果について、立教大学大学院ビジネスデザイン研究科の野崎俊一教授は「コミュニケーション方法が対面の場合は、表情やボディランゲージを通して伝わりやすいが、電話の場合は見えない相手との会話になり、言葉を通して人間味を踏まえた対応を行う方がより共感性を得やすいと言える。日本の高コンテクスト文化においては、これに応じた日本独自のきめ細かい顧客サービスが必要だと言える」とのコメントを寄せている。
《冨岡晶》
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