桑田佳祐、謝罪で波紋広がる……“表現の自由”めぐり批判も | RBB TODAY

桑田佳祐、謝罪で波紋広がる……“表現の自由”めぐり批判も

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 サザンオールスターズが昨年末に横浜アリーナで行った年越しライブでの演出が問題視されていたことを受け、桑田佳祐が15日に公式サイトに謝罪文を掲載したが、この謝罪をめぐりネット上では賛否さまざまな声があがっている。

 サザンの年越しライブ2014「ひつじだよ!全員集合!」では、桑田が昨年秋に受章した紫綬褒章をスボンの尻ポケットから取り出して観客に披露するといったパフォーマンスが行われたほか、会場で流す映像に国旗やデモなど政治に関わる映像を使用、さらに桑田がちょびヒゲ姿で登場した姿は大みそかの「NHK紅白歌合戦」でお茶の間に流れた。

 これらのパフォーマンスに関してネット上では、紫綬褒章については「天皇陛下に対する不敬」、映像については「反日」、ちょびヒゲについては「ヒトラーを連想させる」などといった批判の声があがり、また、この件で右翼系団体が所属事務所アミューズ前で抗議活動を実施したことも複数メディアが報じていた。

 フランス・パリで発生した新聞社襲撃事件により、世間では“表現の自由”に関心が集まっている。そうした中での謝罪とあって、「アーティストが表現を批判されて謝罪した」と、言論の弾圧に屈したと受け取り批判の声をあげるものも少なくない。

 漫画家の小林よしのり氏は16日に更新したブログで、「ロックンローラーは本来、権威にも権力にもひれ伏してはならない。反骨精神を見せるのがロックの魂だ」とした上で、「桑田が安易に謝罪したのにはがっかりした」と感想をつづったが、一方で「桑田が紫綬褒章をもらったのは、照れくさかっただろうから、『ネットオークションに』などと馬鹿なことを言ってみたり、天皇陛下の物まねをしてみたり、そのくらいのことは許してやれと思う。本当に『反天皇』なら、大江健三郎のように、勲章なんかもらわない」と擁護。「せっかく社会風刺を詩に込める才能もあるのに、このくらいでくじけないでほしい」とエールを送った。

 思想家で作家の東浩紀氏は16日にTwitterで、「日本ではアーティストの政治感覚って結局この程度のもの(事務所に抗議が来ただけでひっくり返すもの)なんだなという前例も作ってしまった」とコメント。劇画原作者の小池一夫氏は「一体、何について謝る事があるというのか。芸能人が、ポリティカルな事を表現してはいけないとでもいうのか。僕が謝罪文で一番気になったのは、「全てのお客様にご満足いただき」の一文。全ての人を満足させる表現なンて存在しない」とツイートした。

 また、参議院議員の松田公太氏もTwitterで、「紫綬褒章の取り扱い以外は特にお詫びする必要がなかったのでは。アーティストの表現の自由にプレッシャーが掛かるような国にしてはならない」とした。

 一方、桑田の謝罪には別の思惑があると憶測する向きもあり、タレントのフィフィは「フランスの件があった、このタイミングで自分のパフォーマンスについて謝罪したとする、世間に言論の弾圧をされたというアピールにはなるよね」と冷ややかにコメントしている。

《花》

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